子供の規格外と親の受難
街のに行く予定でしたが
ワンクッションしっかり挟む事にしました
プロットの修正で投稿遅くなり申し訳ないです
「分かった……引き続きアモンの指導は頼むぞ」
「はい……それであれば…」
アリバが申し訳なさそうに頭を垂れる
「よし。では、時間いっぱいまではアモンに魔法をおしえてやってくれ」
「ハッ!失礼いたします」
勇ましくキリッとした返事をしたアリバはすぐさま、反転し
ドアへ向かう
その顔は、背後にいたレイヤには見えていなかっただろうが
正面にいた俺とミーシャは見た
本気で安堵するアリバを
「ッ!?」
俺とミーシャと目線があい
3歳児だからと油断をしていたのか。表情の意味を読み取れないと思ったのか
じっと自分を観察する様な視線を向ける規格外の3歳児、2人に恐怖した
そして、アリバは思ったのだった
【北の次男と次女は本当にヤバイ】と
このアリバが後に語られる
【最強の世代】と呼ばれ、北の二ブルム家【氷雪の双頭】の伝説を語る1人になる
もちろん。その事は、まだ誰も知らない話
しかし、人生という名の時間は着々と進んでいる
ガチャん
そそくさと去ったアリバは部屋を出たようだ
それを見聞きしてレイヤは
「……はぁ。流石だな。アルマ、ミーシャ」
「どういたしまして」
俺は開き直って笑顔でそう言ってやる
「ん……ごめんなさい?」
と、ミーシャはとりあえず謝った
「はぁ…」
そんな俺達を見てレイヤはとうとう頭を抱えた
「全く……才能があるというのも問題だな…頼もしくはあるが」
俺とミーシャはレイヤのボヤキを聞きながら棒立ちで待機している
そして、レイヤはボヤキではなく俺達に向けた言葉で告げる
「魔法の訓練はしばらくナシだ」
「は?」「…………」
俺は反射的に言葉が出て
ミーシャは何も言わずにいる。
あーうん。そうなのか
……そうだよね
「いいか?アリバはな。代々家の子供に魔法を教える仕事をしている優秀な家計なんだぞ?」
へぇ~そうなのか
「そんなアリバ先生に教えられる事が無いって言われた僕達って……」
「間違いなく、天才もしくは規格外、だな」
(ですよねー)
俺はもう苦笑いするしかない
ミーシャも同じな様で特に何も言わない
「あの規模の魔法、操れるのか?」
レイヤの質問に俺は
「うん。」
俺は正直に頷く
「操れる」
ミーシャも俺に続き肯定する
「何発打てる?」
なおも続くレイヤの質問
それに俺は正直に答える
「わかんない。けど、多分いっぱい」
「私も限界はわからない……けど、余力はある」
「ふむ…わかった」
レイヤは手を組み何やら考えている様子だ
「二人とも気を引き締めなさい」
「「??」」
レイヤの言葉の意図が読み取れず
俺とミーシャは疑問を浮かべる
そんな中、レイヤは気づいてか気づいておらずか
俺達の様子とは関係ないとばかり意図していた事をする
「フッッ!」
「「ッ!?」」
レイヤが小さな掛け声を発すると
とてつもないプレッシャーが俺の体にのしかかってきた
そんな、錯覚に陥った
隣のミーシャも同じ物を感じ尻すぼみしていたのだが
アルマにはミーシャの様子見る余裕はなく
ミーシャもまた同様であった
「フー……どうだ?」
レイヤが息を吐き
力を抜くと先程感じていたプレッシャーは跡形もなく消えた
「い、今のは何ですかお父様?」
ミーシャが質問した
俺は、というと
(今のは……魔力。今のが魔圧って奴か)
俺は本で得た知識で現象だけは知っていたが、
本には詳しくは書いておらず、人を驚かせる位の用途にしか使えない
大した事のない大道芸と書かれていたが…
(しかし、今のは…)
「今のは魔圧というらしい。詳しい原理は知らないが
性質魔法を使うまいと念じながら魔力を放出すると、周囲の生物はその魔力を感じ取る
これは、魔力測定という検査があるのだが
その時に用いる技術の1つだ。そんな、当たり前の事でも僕みたいな人の枠から外れた力を持つ者が使えば2人が感じた通りだ」
まぁ大道芸ってレベルじゃない
今、俺はわからされた
【父は圧倒的に俺より強い】
今の段階じゃ絶対に適わない
戦えば瞬殺されると思わさられる圧倒的な魔力保有量の差だった
「1つだけ言っておく。2人がどれだけ強くても。僕は2人より強い」
「「…………」」
「2人が3歳児で規格外と呼ばれようとも僕にとっては常識の範囲内だ」
レイヤの顔は勇ましい
しかし、確実に父親の顔で優しさを確かに含んでいた
「これだけは覚えておくといい。僕はレイヤ・二ブルム・ハイムは2人の父親であり。理解者だ。決して規格外と言った理由で迫害したりはしまい
むしろ、何時か2人が僕の力を超えてくれる事を願っている
アモンやシャーリーやルーナの為に力を奮ってやってくれ」
レイヤの優しい
父親の言葉に俺は、
「「はい」」
と、しっかり力強く頷く
ミーシャがどう思っているのかはわからないが、俺と同じくらい強い返事だったと思った
(……元々そのつもりだしな)
俺は、この世界で、自分が正しいと思う道を選び
守りたい者を守る為に力を得ると誓っている
(お父様に言われるまでもなく……だが)
レイヤの言葉
確かだった覚悟を、さらに強くしてくれるもので
俺は父をたった今。尊敬した
そして、俺の第1の目標は【父の背中】になったのだった
「ところで、二人とも。今の僕がやった魔圧できるかい?」
「できると……思う」
ミーシャが先に答え
俺は少し考える
(やった事はないが……要は魔力を外に出せばいいんだよな?)
魔力を出す
というのは、要は【魔力拡散】と同じ
しかし、だ
魔圧とは違うのだろう
魔力拡散は基本1人の時にやっていたが
そこまで徹底していた訳ではない。なぜなら、徹底する必要がなかったから
【魔力拡散】した後、周りからの反応が特に無かったからだ
時には、寝る前にミーシャの前で堂々とやった事だってある
ならば、魔圧と魔力拡散は何が違うのか?
「どうした?できないか?」
俺の思案顔を見てレイヤが尋ねる
「うーんわからないかも……。いや……もしかして」
俺は1つ思い当たった事がある
魔圧とは魔力で相手を押し付ける
つまり、空気中に己の魔力で満たす行為だと言う解釈なんじゃないか?
魔力拡散とは体内の魔力を一気に放出するものだ。それでは、魔力を放出したとしても一瞬で霧散の様な事になるのでは無いだろうか?
あの、赤い本以外の魔法の本を読んだが
1度も【魔力拡散】という言葉は出てきていない
つまり、魔力拡散とは非常識なもので
皆の魔力放出=【魔力拡散】ではない
それを踏まえて……
「わかったかもしれない」
「お?そうか?自分で解決するとは流石だな」
「やってみていい?」
「あぁ。ミーシャと同時にやってみてくれ。どうせなら比較してみよう」
俺はミーシャの方を向き
ミーシャも俺に顔を向けていたので顔を見合わせる形になる
俺とミーシャは同時に頷き合い
これまた同時に正面を向く
特にお互い合図もなく
各々が個々のタイミングで魔力を発した
「「ハッ!」」
が、ポーズは違うもののほぼ同時に魔力を発生させる
俺は超サイ〇人になるポーズ
ミーシャは1人で胸前で恋人繋ぎをし祈るようなポーズで
お互いがイメージしやすい魔力の出し方で出した。
お互いに初めてとなる最大出力でだ
「ッ!……これは凄いな」
正面にいたレイヤの目が見開かれる
そして、
「わかった。ありがとう。もういいよ」
っとレイヤは言ったので
俺。そして、ミーシャは魔力の放出を止める
「流石だな。2人で僕の半分の魔力って所か」
と、レイヤは評価を下す
その言葉に俺とミーシャは
「あはは……だよねぇ」
「半分も出せてた事に驚き」
俺とミーシャが各々感想を漏らした
「そうだ。ミーシャの言う通り。2人は3歳だぞ?正直想定以上だった
必ずや将来は俺を超えてくれる存在になるだろう……そして、いつか」
ん?何か「そして、いつか……」何?
レイヤの口からそれ以上の言葉は発せられなかった為
俺もミーシャもその言葉の先を聞くことはなかった
そんな俺達の後ろから
ゴンゴンゴン
とドアを激しくノックする音が聞こえた
「今とてつもない魔力を感じたけど!アルマとミーシャが暴走したんじゃない!?」
外からルーナの声がした
「開けてあげてくれ」
レイヤがそう促す
「お母様。大丈夫ですよ」
「ミーシャ!アルマも!しっかりといるわね!ケガ……もなさそうね良かったわ!」
「お母様。心配し過ぎだよ」
俺は苦笑しながら肩を落とす
「いーえ。心配し過ぎなんてことわないわよぉ~だって貴方達には前科があるんだもの」
ハハ……何も言い返せねぇわ
俺は困り顔を作った
「まぁ覚えてないわよね。赤ん坊の頃だもの」
いや、覚えてるけどね
まぁそれを言いはしない
俺は特に何も言う事はなく。小走りで母のお腹に飛び込んだ
「わ、アルマどうしたの?」
突然の俺の行動に驚くルーナ
しかし、直ぐに順応し背中に手が回される
「なんでもないよ」
このハグに特に理由はない
しかし、無理やりに理由付けをするなら
親愛の証って所か
さっきのレイヤの親心といい
ルーナが駆けつけてくれた事に愛を感じて嬉しくなったのだ
「ミーシャもおいで」
「私は、いい」
ルーナが手招きし誘うが
恥ずかしいのか断るミーシャ
俺はそんなミーシャに
「ミーシャ」とだけ言い
手招きする
するとミーシャは
「……わかった」
渋々と言った風にルーナの手の中にはいる
「うぅ~可愛いわ!二人とも」
ルーナは腰を落とし俺とミーシャを更に抱き寄せて頬擦りをしてくる
「ちょっとお母様!」
「や!」
俺とミーシャはあまりの頬擦りの強さに少し拒絶をしてしまうが
すぐに抵抗を止めてされるがままになった
そんな様を笑顔で眺めるレイヤと
されるがままの俺と実行者のルーナ
その光景は紛れもなく家族であった
次こそは街へ向かって出発です!
そして、街では本作品の主要人物となる子が現れます!
あぁ~ロリのメイド服……尊い(キモイ)