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2度目の人生は魔法のある世界でッ!  作者: ユートピア
第1章 赤ん坊編 ~甘かった認識と誓いの夜~
13/26

12話 安易な行動の結果と誓い 後巻

長め(8000文字)


多分これ残酷描写かも…

オブラートに包みましたが苦手な人は深く考えない事をオススメします

「さぁ。大人しく従え。アルマに君の卑しい血を浴びせたくはない」

「クッ……!」


現状

俺は為す術もなく、父レイヤと命の恩人である山賊の頭領であるリーンの対峙を見ている


「あ、う、あ!やめ、て!」


俺は無我夢中で頭を回転させるもそんな陳腐な言葉しか出ない


「アルマ…」

「少し待てアルマ。すぐに助けてやる。コイツらを殲滅してな」


違うんだ!父さん!

俺は!この人達に助けて貰ったんだ!


(やめてくれ!殺しあわないでくれ!)


そう心の中で叫ぶ


何故声に出さないのか

それは、言葉がわからないからだ


伝えたいのに伝わらない

俺の言葉の知識はかなり偏っている


俺の触れてきた言葉は魔力制御に関わるものばかり

俺の語彙はほとんど赤い本だけなのだ


殺すという単語がわからず伝えられない

それに類似する言葉もわからない


だから俺は


「や、めて!やめて!やめて!」


としか言えない


しかし、その言葉は聞こえている筈なのに伝わらない


ここにいる誰しもがこの状況で赤ん坊の言葉に動かされない


(俺は…なんて無力なんだ)


魔法が使いたい

妹に負けたくない


そんな陳腐で短絡的な結果の積み重ねがこの状況を産んだ

転生者で自我をもった俺が何をやってるんだ


反省している俺を他所に常に時は動いており

今もリーンが何とか時間稼ぎをしている

だが、レイヤは


「あまり、舐めるなよ?」


ドスの聞いた声で我慢の限界だと言わんばかりに


「アルマを抱いている貴様でも一刀に処す事はできるんだぞ?

それでも万が一があるから言ってるんだ。何なら女盗賊。アルマを床に降ろせば貴様だけは逃がしてやってもいい」


何を言っているのかわからないがレイヤの気迫が恐れを増した気がする

恐らく、魔力を更に放出し威圧をしているのだろう


「ア、アンタ!(ノース)騎士(シュバリエ)だろ?何故この赤ん坊をそこまでして助けようとする!」


「貴様ら盗賊には関係ないの事だ。貴様等は要求に答えればいい」

「聞く耳持たずってか?」

「そうだ……そして、もういい。死ね」


!?

肯定を表す言葉の後に否定の言葉を発した後に

レイヤが動いた。


「うぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」

「グハッッッ」


その動きを見たレイヤの登場にけおとされていた幹部達2人が動き

それにレイヤが反応。予定していなかった行動変更にも関わらず


幹部2人の後ろからの剣による攻撃と槍による攻撃をしゃがむ事で交わし


気付けば左にいた槍をもった幹部の右胸。心臓の部分に刀を突き刺した状態で佇むレイヤの姿を目視した


右側にいた剣をもった幹部は倒れている

首を跳ねられた状態でだ。槍をもった幹部を倒す前にひと薙でしてのけたのだろう


「は、早い…」


セレンディアが言葉を漏らす

その手にはナイフが握られておりその手には力が入っているのが見受けられる


「これは…勝てないな…」


リーンも何か言葉を発した

その顔は言葉の意味を理解しなくても何となくわかる内容だ


恐らく、勝てないっと諦めたのだろう


(くっそ!俺に出来ることはないのかよ!?)


今すぐにでもレイヤに俺は何もされてない

俺は家に帰るから。盗賊全員を見逃して欲しいと頼みたい


しかし、それができない

ならば、せめて犠牲者を減らしたい


誰一人としてもう死んで欲しくない


俺は考える

何がなんでも何とかするんだ!


(赤ん坊の俺に……出来ること…)


…………


…そうか!


俺は1つ案を思いつく。というか、これしかない

思いつけば実行だ!しかし、猶予があまりない


これを実行するには人手がいる


「くっそぉぉぉぉ!!」

「フン!」


キーーーーン

ザシュッ


また1人幹部がやられた

剣戟を冷静に撃ち落とされて無力化。そして一撃だ


この強すぎる父は一切スキを見せない

故に、俺を抱えたリーンは動けないし


スティンやセレンディアも迂闊に攻撃できない

実際に、無理やり特攻した幹部3人は為す術なくやられている


「強すぎだろ…」

「何とかリーン様だけでも!」


今、リーン、助けるという言葉が聞こえた

その気持ちがあるなら!できる!


この状況を打破しなければ何も始まらない!


俺がそのスキを作るんだ!


俺はそうと決めたら実行する


「ドン……い、や、リーン!」


俺はリーンの注意を向ける為に呼びなれたドンではなくリーンと呼ぶ


「え?今名前を…」


それに驚いたリーンは俺を見る

そんなリーンに


「にげ、て」


と伝える


「……無理よ。力の差がありすぎるの。動きを目で追うのがやっとなのよ」


何やらごちゃごちゃ言ってるがしったことか

もう一度俺は念押しをする


「にげ、て」


それを聞いたリーンは困る

困るのは当然だ。出来るのならやっているという話だ


だから、俺が出来るようにする


(さぁ行くぞ!俺!)


よく聞けよ!父さん!!


「うぁぁぁぉぁぁぁぁぁぁんんんんんん!!!」


俺は泣いた

思いっきり大きな声を上げて。力一杯にとにかく泣いた


「ッッ!!アルマッ!?」


レイヤが俺に注意を向ける


(頼む!動いてくれ!)


その心の中での願いは届いた


「ハァァッ!」

「クッ!?」


レイヤが死角からの攻撃を刀で受け止める


始めてレイヤが防御をしたのだ

そして、それは逃げるスキでもある


それを理解していたのはスティンだ


「行けェェエエ工!リーン!!」


スティンは思いっきり叫ぶ

万が一にもリーンが聞き漏らさない様に


「ッッ!?」


リーンはそれに反応する

そして、すぐに駆け出す


「クッ!待て!」

「行かせるかよッ!!」

「邪魔だ!どけ!!」


後ろでは争いが繰り広げられているようだ


その声を聞きリーンは駆ける

その頬に涙を流しながら


そして、その顔をクシャクシャにしながら叫ぶ


「全員退避ッッ!目指すは1つ前のアジトだ!!」


と何やら叫ぶ

わからないが何か仲間に伝えたのだろう


1人でも多く助かるように


「ごめん、ごめん」


俺は知っていた謝罪の言葉を唱える

申し訳なさで一杯だったからだ


全ては俺のせい

俺を助けたから。あの笑顔は、リーンの家族は壊れてしまったのだ


それを聞いたリーンは走りながら

俺に優しい顔を見せる


そして、


「アルマ?どうしたの?」


リーンは不思議そうに尋ねる


「ごめん、ごめん」


俺はとにかく謝る


「アルマ。何だかわからないけど大丈夫だよ」


俺を強く胸に埋めるリーン

俺はモゴモゴと声にならない声で謝り続ける


本当にごめん、リーン。みんな

俺は自分の軽率さ、そして弱さに失望した


俺の反省をわけも分からず聞き続けたリーンは走り続けて

アジトの外に出た。レイヤがアジトに入ってきた場所とは逆に当たる位置だ


外に出られる出口を目の前にし雪がパラパラと降る外へ駆け出す

辺りは雪景色で木以外は特にない


辺りは月明かりのみで何も無い……そのはずだだった


リーンは外に出てそのまま走り抜けるつもりであったがすぐに立ち止まる


(な、なぜ?立ち止まったんだ?)


その理由はすぐにわかる

このまま駆け抜ける事のできない2つの理由があったから


1つ目は山賊服に身を包んだ男女が

複数人倒れていたから


2つ目は前に雪景色がとても似合う麗人がいたからだ

白銀の髪が風に揺られて(なび)いている。まさに妖精の様


しかし、その正体が妖精だったなら良かったの…だろう

そこに佇む女性は


「その子を返しなさい。盗賊」


雪の妖精さながらさながら

殺気を込めた冷たい目で睨み。聞いたこともない声で喋る


母、ルーナである


「クッ!敵か!」

「さぁ!早く!!!」


母さんは聞いたことのないような怒声を放つ

いつも温和でおっとりしていた母さんとは似ても似つかぬものだ


それだけ俺を心配してくれているのだろう


父レイヤといい目の前の母さんといい

本気で心配してここまで来てくれたのは嬉しいが


やはり手放しでは喜べない


(助かって欲しい、1人でも多くの人達に)


「あなた達、やけにこの子にこだわってるみたいだけどこの子一体なんなの?」


「その子は私のッッ!……あなた達には関係のない事よ」

「また……それか」


リーンは俺を見る


「クッ!醜い目で!アルマを見るなァァァ!」

「グッ!」


なにに激昴したのかはわからないがルーナが激昴し

どこから出したのか針の様な物をリーンの足に向けて投げて刺さる


(アレは……氷?)


氷の…針か?

という事は魔法?瞬時に手元に鋭利な氷の氷柱を作って投げたということか?


リーンは苦悶の表情を顔に出し痛みに耐えている

足を狙ったのは万が一にもオレに当てないようになのか

足を使えなくする為なのか


どっちもなのかはわからないが


とにかく、これで満足に走る事が出来なくなっただろう


ガスガスガスガ


「さぁ、その子を渡しなさい」


ルーナは手を前に出し

近づいてくる


それを見たリーンは

「泣かないでね」と俺がマナがよく使っていて理解できる単語を発し


行動に移った


「近づくなッッ!!この子がどうなってもいいの?」

「クッ!?」


リーンは俺の顔にナイフを突きつける


「こっの!!卑怯な!」

「そりゃ山賊だからね。なんでもするさ」


その行動を受けてルーナが歩みを止めた


「相当この子が大事なんだろう?なら動かない事を勧めるぜ」


リーンは強気に振る舞いゆっくりと移動を開始する


「そ、その子に手を出したら許さないッッ!」

「どうせ、この子を渡したら私や他のみんなも皆殺しだろう?」


「そ、そんな事はないわ!その子を!アルマを返してくれたら全員見逃す!だから、、」


「すでに全員じゃねぇんだよッッ!!」

「ゥ!?」


「アタシの目の前で北の当主様が幹部を3人と部下を1人殺した」

「そ、それは…」

「それだけじゃねぇ。ここにいる奴らはお前の仕業だろ?」

「それは正当防衛で…」


「いーや。そとそもお前達が攻めて来なければ、この争いは起きてねぇよな?」


「うっ……クッ!」

「そんな奴の言うこと信じると思うか?」


リーンは突きつけていたナイフを更に近づける


「やめてッッッッ!!!」


ルーナが一際大きな甲高い声で叫ぶ


「お、お願い!アルマを、アルマを殺さないで」


気丈に振舞っていたルーナの姿は何処へ


「お願いよッ…お金でもなんでも!あげられるものだったら何でも挙げるから!アルマを返してッ!」


そこには本気で心配がる母の姿があった


「……そこまで、必死になるのかよ」


リーンがボソッと呟く


「そんな心配するんなら、尚更渡せねぇな」

「そんな…ッ」


ルーナはリーンの言葉を聞きあからさまに動揺する

リーンはその姿を見て少し大胆に歩幅を広げ始める


このまま逃げられると思った……が


「このまま逃がすと、危険。殺されるかも。なら、ここで仕掛けるのが正解?いける?いけるよね?うん。だいじょうぶ、この距離、氷柱(ニドル)を受けた時の反応速度。昔を思い出せ、うん。大丈夫。いける」


ルーナは棒立ちで口を高速で動かしている

ボソボソと声としてリーンも認識出来ていないであろう声量だ


リーンは警戒していた

警戒していたにも関わらず、、、


「フッ」

「なッ!?」


10メートル程の距離が一瞬で詰められ

リーンが反応した時にはすでに目の前にリーンの姿にがあった


キーーーーーン


俺に向けていたナイフが空中に飛ぶ

手に作っていた氷の氷柱で弾いたのだ


「ハッ!」

「痛いッッ!」


ルーナはリーンの足を踏みつけ両肩に高速で氷の氷柱も打ち付ける


「うっア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ッッ」


リーンは悲鳴をあげる

が、リーンは俺を落とさない


「ッッ!このッ!」


ルーナはリーンの顎に向かって掌底を放った


「グハッッッ、ッックッ!」


それを受けて少し中を舞うリーンの体

しかし、リーンの俺を抱く手が離れる事は無かった


それを見たルーナは焦る


「どうしてッ!アルマを離しなさい!!」


地面に仰向けに倒れたリーンにルーナが距離を詰める


「ッッ!?」


だが、詰めきる事ができなかった

何者かに足を掴まれたからだ


その人は


「カ、カラカラ!?」


俺を雪山で助けてくれた張本人であった


「早く…。頭領(ドン)…逃げて…くだせぇ」


カラカラはルーナの足にしがみつき前に進まないようにガッチリと掴んでいる


「生き残り!?クッ!離してッッ!!」

「へへ、離さねぇっすよ」


「カラカラ…」

「さぁ!俺はもうどうせ無理っす!頭領(ドン)!早く、」


「!!」


カラカラは決死の叫びでリーンを急かす

そのカラカラはというと目に見えてボロボロだ


体中に無数の氷柱が刺さっており

頭にも1本刺さっている。出血量が尋常ではない


大人1人を抑えつけているのが不思議な、状態だ


「さぁ早く!」

「ありがとう!カラカラ!」


「はは。最後が頭領(ドン)の感謝の言葉とは…子分冥利に尽きるな」


カラカラの最後の言葉独り言だったので、俺らに届く事はなかった

だが、最後に見た顔は笑っていた。その笑顔を見て俺は


より、自分のやってしまった事に重圧を感じる


そんな俺を知らず時は無情にも止まらない


「この死に損ないめッ!氷魔法・撃墜(バレッタ)!」


そう唱えると、カラカラの顔にルーナの突き出した掌を中心に氷の礫があっという間にバスケットボールほどの物ができる


それを、


ガスッ


カラカラの目の前に

念力さながらのベクトルの働きを無視した動きで発射


その結果、俺の顔にカラカラの血が付着する

作り出した氷の礫は言うのもはばかられる結果を作り出したのだった


(カラカラ……)


俺は流れる涙を止める事が出来なかった


そんな光景を見て、リーンは立ちすくんでいた


「カ、カラカラ……?」


タイミング的に走りして数秒の話

まだ、そこまで距離が空いていない。なにせ、血飛沫が俺の顔に付着ギリギリ付着する距離だ


リーンは後ろで起きた鈍い音に振り向き

スピードが落ちてしまっている


そんなリーンを睨みつけ


「逃がさない!」


ルーナが一喝する

しかし、


「!?」


ルーナは追ってこない


「なんで!?」


理由はカラカラが死んでも尚ルーナを離さないからだ


「こっのッッ!」


何とか振り払おうと藻掻くルーナ

そんなルーナを見てリーンは


走り出した


木々の中に逃げ込むリーン

どうせ、足跡で追跡される事がわかっているリーンは


真っ直ぐ最高速度で駆け抜ける


俺はそんなリーンに抱えられ覚悟を決めていた


(本当にできるのか?……いや、しなければリーンが死ぬ)


それはさせない!

ならば、何がなんでもやらなければ!


俺はレイヤの前で泣いて見せた時

あのとき考えついた策は逃げる為に泣くという事だけじゃない


それだけでは、逃げても一時しのぎにしかならない


考えるに、俺を見つけるのにたったの数日しか経ってないのは何か魔法が関係しているのは明らかだ


そうでなければランダムにテレポートした俺を数日で見つけるなんて不可能な筈だ


であれば、俺の居場所を知り。最短距離できたというのが濃厚


という事は、俺は動く発信機みたいなもの

俺を抱えている限り絶対にリーンは逃げきれない


となれば、だ

リーンが逃げるには2つの方法がある


1つは俺を捨てて逃げる

レイヤもルーナも俺を保護出来れば執拗に追いかけはしないだろう


しかし、問題がある


言葉で上手く伝えられない

置いていく。捨てる。などの単語がわからないのと


そもそも、それを言った所でリーンが俺を置いていく可能性はどうなんだという話だ


だったら自ずともう1つの方法に至る


本当ならばリーンだけでなく

もっと大勢。カラカラやセレンディア。他優しくしてくれたみんなも一緒にというのが理想だった


しかし、それはもう無理だろう


俺にはリーンを逃がす事で精一杯だ

それに、カラカラや幹部の人達。山賊のみんながそれを望んでいる事だろう


ならば、


(俺は絶対にやる!やるんだッ!!)


俺は決意をし直し

言葉を紡ぐ


「リーン!リーン!」

「ごめんね。少し静かにしてて、ね?」


ごめんという単語と静かにという単語が聞こえた

言いたい事はわかった。もちろん。リーンからすればそうだろう


当然だ


しかし、意識を向けられたならそれでいい


「魔力、流す!受け取っ、て!」

「え?」


「魔力流す!受け取っ、て!」

「アルマ……何を?」


「魔力!流す!受け取って!」

「魔力を?くれるの?」


伝わった様なので

俺は力一杯首肯する


「ごめん。意味わからない。後でね」


リーンは訳が分からず断る

魔力を受け渡す時というのは基本的に魔力が枯渇した時


リーンは今。風魔法で普通より早く走っており魔力は消費しているが

今すぐ補給しなければならない訳ではない


それに、赤ん坊の魔力力は少ないというのが世界の常識だ

微々たるものを補給してスピードが弱まるのならば今はすべきでない


しかし、アルマは引き下がらない


「魔力、受け取って!」

「アルマ。うるさい」


リーンの声に怒気がまじる


怒っているのは感じ取った。

しかし、こちらも引き下がれない理由がある


ならば、と強行作に出る事にした


「魔力、受け取って、ね」


俺はリーンの腕の中でモゴモゴと動く


「コラ!アルマ!」


動く俺をしっかり抱え込もうとするリーン

しかし、俺は小さい体を上手く使い上体を上へ上へと目指す


俺は最後にもう一度言うことをいい


「魔力貰ってね」


俺は実行に移した


魔力を受け渡す

リーンの唇に自分の唇を重ねる事によって


「んッ」


リーンは驚いた様に目を見開く


そして、魔力が行き渡るのを感じる

俺は心の中で唱える。そして、頭の中に流れるイメージに従い2度目の魔法を行使する


「転送魔法・時空転移(イクスポート)


ドサッ


「痛ッ!」


俺は雪に背中から落ちる

何故か?それは


【俺を抱えていたリーンが消えたからだ】


消えた…といっても

俺がテレポートさせたのだが


よ…し。これ…で


アレ?眠気が…

あーもしかして魔力枯渇か?


体温の低下も関係してるのかな?

今度こそ死ぬ……かも…


それにしても、1人転送しただけで魔力枯渇……か

どうせ1人しかテレポートさせる事が出来なかった訳か


(ハハ……不甲斐ないな…)


俺は最近まで適当な気持ちではなく


心の底から強くなりたいと思った


言葉が喋れないという大きな問題はあったが

力が無くては守りたい者を(ろく)に守れない


「ッッ!!アルマッ!!!」


あ、母さんの声

どうやら俺は助かりそうだ


「大丈夫!?アルマ!」


母さんは俺を抱き抱えて心音を確認する


「…生きてる。アルマしっかりして」


ルーナはコートを脱ぎ

俺を包む


「ありがとう」


俺はお礼を言う


「ッッ!アルマッ!いいのよ。怖かったでしょ?」


怖い……か

そうじゃなかったんだよ


でも、俺はそれを母さんにも。父さんにも

その他誰にも言うつもりは無い


「あの、女盗賊!アルマを捨てて逃げたのかしら?クッ…下衆(げす)が…」


俺は俺を助けてくれた人を殺された

しかし、両親は俺を愛ゆえに助けに来てくれた


感謝はあれど、恨みなどない


今回抱くのは、犠牲になった人々への謝罪の念

そして、後悔とそれを糧にした決意のみだ


(二度とこんな惨劇を繰り返さない為に)


「アルマッ!アルマッ!本当に良かったぁ」


俺は俺の生まれた家へと帰る

前後編で終わるとかにしたからめっちゃ長くなった(自業自得)



それにしても、やっと戦闘描写書けた!まぁ一方的な奴だけど

対等な戦闘が見たい人はこれから続く3歳児編へとお進み下さい


まぁでも、予定ではエピローグを書きます

はい。計画性のない発言すみません


ここまでお付き合い頂きありがとうございました

良ければブックマーク、評価、感想などよろしくお願いします

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