10話 盗賊生活と大捜索
すいません。遅れました
「どうした!?アルマ!何か言ったか?」
「見つけたっと言われた様な気がします」
やべ、
「見つけた?何を?」
「本の内容に関する事じゃないですかね?」
「は?アルマは適当にページを捲って遊んでるだけだろ?」
「でも、見てる分には理解してる様にしか見えないんですけど…」
「そんな訳は…」
俺の周りが何やら騒がしい
ここに来て3日目。新しい言葉を覚える事はできないので
読める所だけを読み、読めない所は諦め読み飛ばしていく
という読み方をしていたら今回の原因らしいページを俺は見つけた
本によると
魔力…封印される事がある…名前という単語がきて
そこから少し読めない単語が続く
その後にだ、封印が原因で魔力が体に行き渡らない状態で無理やりに魔法を行使しようとうすると暴走する
と書かれている
言葉が歯抜けで正確には読み取れないが
恐らくこれが原因で間違いはない
俺は母により魔力を封印されていたであろう事は明白
普通は魔法を行使する事なんてできない俺が
魔力を増やし封印されていた分の魔力を超えて溢れたと推測される魔力で魔法を己の感覚のままに魔法を行使した
そして、この状況
俺が魔法を行使し家のテラスから雪山に放り出されたという事は
俺の魔法は、【テレポートや瞬間移動】の類だという事だろう
心が躍る
しかし、それが原因でこの状況だ。喜びきれない…
兎に角だ
原因は分かった。では、どうするのか?
……何もできない
封印を解くことが出来なければ魔法も安全に行使出来ないと分かった今
もう一度試したいとは思わない
相当運が良ければ家にテレポート出来るかもしれないが
また雪山にテレポートしたら今度こそ死ぬだろうし
上空や水の中にテレポートしたら確実に死ぬ
そんな危険な賭けはできない
となると、だ
「アルマぁ~どうしたぁ~?」
「お腹減ったんですかね?」
「そうか!よしセレンディア!ミルクだ!」
「はい!かしこまりました!」
俺はどうやら相当可愛がられているらしい
自分で言うのは可笑しいと自分でも思うが
「ア~ルマ♡」
今も頬擦りされている現状を見るに自惚れではないだろう
俺は恐らくこの山賊であろう団体に殺される事はないと思っている
その裏付けで、この3日で分かった事が関係している
それは、
「頭領!持ってきました」
「セレンディア。私の事はアルマの前では私の名前のリーンと呼べと言ってあるだろう」
「はっ!失礼しました。リーン様」
「うし!それでいい」
どうやら、俺に先程まで頬擦りをしていた女性の名前はドンという名前ではなくリーンと言うらしい
では、ドンというとのは何なのか?
それは周りの反応を見ていればわかる
ドンとは=頭領という事だろう
つまり、この山賊の中で1番偉い存在。つまりリーダーだ
最初見た時は名前だろうと思った見た目が高校生でも通じる様な風貌な為思い至りもしなかったが
俺の世話を1番してくれるセレンディアや俺を拾ったカラカラというアホそうな男を初め
誰しもがこの口元緩みぱなしのJKもどきに頭を下げるのだ
山賊のトップが俺を歓迎している上
他のほとんどの団員にも特別な悪感情を持たれている様子のない俺がキッカケもなしに殺されるなんて事はないだろう
ならば、危機的状況になるまでは
無謀な魔法の発動。テレポートはしない方が得策
(最悪…このまま山賊生活というみらいもアリかもな)
と思える位にはこの山賊の人達が向けてくる顔が好意的で
そういう未来も悪くないと思うのだった
そんな事を考えながら、どこから調達してきたのか哺乳瓶のミルクを飲み干した俺は
本を読み気力を使い果たしていたのを起因にか
とてつもない眠気に襲われる
「寝そうですね」
「あぁ。寝所に運んでやろう」
俺は俺の為に作られた毛皮のベッドに運ばれて寝かされる
俺はすぐに眠りに落ちた
これから起きる惨劇を知ることないアルマは眠りに抗う事など無かった
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レイヤside
「つきました。二ブルム卿」
「ここにアルマが?」
「はい。生命反応はずっとここに留まっております」
「まだ、生きておるのだな?」
「はい。私の固有魔法は親族の血を媒体に血縁者の魔力を手繰るという魔法ですからね。死ねば魔力は感知できなくなる為、生きているのは間違いありません」
「そうか。では、早急に見つけ出そう」
レイヤの歩いていた位置は先頭。この場所には
その後ろには、数百に及ぶ男女とレイヤの左にいるルーナがいる
「聞いたか!我が息子!アルマは生きている!
北方の守護家の子息だ!絶対に生きて連れ戻せ!」
「「「「「「ぉぉぉぉぉぉおおおおお!!!」」」」」」
レイヤの掛け声に呼応し
数百にも及ぶ人の雄叫びがあがる
「カストル。もう少し道案内を頼むぞ」
「おまかせを」
先頭にいる2人が頷き合い
レイヤが歩き出す。そして、右手の剣を雪空に掲げ
「よし、いくぞぉぉぉぉ!!!」
レイヤが吠える
それに言葉で応えるものはいない
しかし、その言葉を受け止めていない者も1人もいなかった
「アルマ待っててね」
「大丈夫だ。アルマは私が必ず保護する」
「私も容赦はしないわ」
「あぁ手加減の必要はない」
レイヤとルーナはギュッと固く手を繋ぐ
アルマを必ず救うという意気込みが表れているほど強く
「待っていろ。山賊風情がッッ!」
今後の展開何となく察せましたかね?
しかし、頑張ってその予想を上回る話を作りたいと思います!
次回!赤ん坊編完結!
更新遅れてごめんなさい
続きはすぐに出します。良ければ感想、ブックマーク、評価などよろしくお願いします!