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光血族のラグナロク  作者: 天宮 美玖
夢からの目覚め編~第1次元~
12/19

学院とレイナ

やっとバトルじゃない部分のスタートの第12話です。

翌朝、俺はとても良い夢を見た。

透き通った海、真っ青な空、砂浜の上を俺と共に走るのは隣に住む少女。

おいでおいでと俺の名前を呼ぶ。

そして急に足を止め、後ろで手を組みながら振り返る。

リヒトー!はーやくー!

と、可愛い声で俺のことを呼ぶ。

ちょっと待ってくれー!

俺はそう言いながらも、笑顔で彼女の元へと走って行った。

リヒトー、リヒトー······

「リヒト!ねぇ、リヒトってば!!」

ハッと目が覚めた。

ガバッと起き上がりベットの側を見ると、そこには学院の制服姿のルルナが立っていた。

え?!は?!何でここに?!

「あの〜ルルナさん?何で俺の部屋の中に?」

俺がそう聞くと、ルルナはハァ〜………っというため息の後に、

「あのねぇ、時間になっても出てこないから何回も連絡したんだよ?それでも出てこないから、管理人さんに合鍵貸してもらったの。それで入ったらまだ気持ち良さそ〜に寝てたから、叩き起こしたの。」

ルルナは『あっきれた………』とでも言うようにそう説明した。

「誠に申し訳ない………。」

と頭を下げると、

「よろしい。今後は気をつけるように!」

と、まるで教師のように俺を叱った。

その後、ルルナはおもむろに部屋を見回した後、

「それにしても、何?この部屋は?」

ルルナがそう口にするのも無理はない。

3LDKの部屋に敷き詰められた家具の他に、部屋に散らばってる服や、パンパンになったゴミ箱、それにコンビニの弁当や出前をとった食べ物の残骸。

いかにも一人暮らしに慣れてない人間の部屋だった。

ルルナは再びハァ………とため息をつくと、

「その様子だと、まともに食事もしてないでしょ?キッチンも見させてもらったけど、料理した形跡が無かったし。」

うっ……………!

図星だ。

「じゃあ、今日からご飯は私の部屋で食べるわよ。」

はい…………。はい?え?!今なんと?!

と、驚いた表情を見せていると、

「部屋同士の移動で外を経由するのは面倒だから、そこの壁に穴を開けて繋げるから。そうすれば朝ご飯も夜ご飯も食べれるし、何より起こしに行きやすくなるでしょ?」

「それってつまり………!」

と、期待を込めて聞くと、

「ほら、そろそろ支度しないと間に合わないよ。続きは放課後に話そ。」

そう言ってルルナは俺の部屋を片付けてくれた。

天使だ………!

なんて事を思いながら、俺は寝間着を脱いで制服に着替えた。

リビングに戻ると、 昨日の夜とは比べ物にならないくらいにキッチリと片付いていた。

「本当にありがとうございます。」

と敬語でそう言うと、

「純粋に綺麗好きなの。それに、私の部屋と繋がるのに、汚かったら嫌でしょ?」

本当に感謝しかない。

俺達は他愛のない話をしながらマンションを出て、学院へと向かった。


中央新都魔術第一学院

そこは高い魔術の授業と、魔族に関する知識を学ぶための学校。

“魔術教書origin”に記録されていた魔術を解析し学業に初めて導入した、人類側の中で最も魔術に関する学びに長けた学院である。

現在、在校生はのべ1000人。初等部1年から高等部3年まで、様々な生徒がここに足を向け、そして魔族に対する知識を学ぶ。

そんな学校に転入して来た俺は、まだ慣れないながらも教室に向けてルルナと歩いていた。

すると、

「ルールーナー!!」

という声と共に、ガバっとルルナに抱きついて来た人影。

髪色はベージュ、ポニーテールに髪を束ね、目の色は透き通った青。

「おはよ、レイナ。」

レイナと呼ばれた少女は、

「うん、おはよ!あれ?この人は転入生君かな?」

と、俺を指して言った。

「あ、はじめまして。今月転入して来た、リヒト·アルテミスです。よろしく。」

「アハハ、知ってるよー。だって同じクラスじゃん。」

あれ?そうなのか。

全然顔を覚えてない………というか転入初日から入院してたから、誰か分からなかったからな。

「じゃあ私も自己紹介しとこうかな?高等部1年、レイナ·エレメスだよ。よろしくね、リヒト君。」

と右手を出してきたので、俺も右手を出して握手をした。

「それでぇ〜?」

ニヤニヤしながらレイナは聞いてきた。

「二人はどういう関係なのかな〜?」

「ゴホッ!!」

っと、お茶を飲みかけていたルルナがむせた。

「げほっ!えほっ!!」

「あぁ〜ルルナ、ごめんごめん。」

とルルナの背中をさすった。

「飲んでなかったから良かったけど………レイナぁ〜??」

と怒りを込めた口調でレイナを問い詰める。

「だからごめんって。いやだってさ、普通気にならない?親友と噂の転入生君が朝から一緒に登校って、絶対何かあると思うじゃん?」

まぁ………その気持ちは分からんでもないな。

「住んでる部屋が隣なのよ。それで、リヒトは朝が苦手らしいから、私が起こしに行くって事になった訳。」

「なるほどね〜。だから一緒に登校してるのか。」

納得してもらえて何よりだ。

「まぁ、授業が始まるまでまだ少しあるから、教室へ向かいながら話そ。色々聞かせてもらいたいしね?」

と、またニヤニヤしながら言ってくる。

こっちを向いたルルナの表情には、『こういう子だから諦めて』という感情が見て取れた。

そして俺とルルナは先に歩いて行ったレイナを追って歩き出した。

二人目のヒロインの登場です(*´∀`)

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