革命の魂
カチャッ
LUZIAが虹助の部屋に入ると…
「う~ん~う~ん…」
虹助は苦しそうに魘されていた。
LUZIAはそっと近づき虹助のオデコに触れた
「う熱ちゃ~っ… 秘孔でも突かれたのかしら… 凄い熱だわ…」
LUZIAは小走りで3階の部屋へ戻ると、セ ージの葉・水風船・タオル・冷えピッタンコを持ち階段を駆け降りた。
虹助の部屋へ入ると冷えピッタンコをオデコに貼りつけ、キッチンへ向かい、水風船を3重に重ね、冷凍庫から氷を取り出し水風船に詰め、水を入れ風船の口を縛った。同じ物を4個作りタオルに包むと、虹助の両脇と鼠径部を冷やし、更にガス台の火を点けセージの葉を炙り煙を立てた ガスの火は止め、虹助の部屋へ戻ると、何やらブツブツと、呪文のような言葉を呟き 、LUZIAは部屋の隅々迄セージの煙が行き渡るように室内を歩いた。
「よし、これでいいわね …」
朝靄のように、虹助の部屋の中をセージの煙が漂っていた…
LUZIAは再び虹助のオデコに、手を伸ばした。
「 熱いじゃない… これじゃ死兆星が見えち ゃうわ… あっ、そうだわ~♪」
LUZIAはパタパタと階段を駆け上がり、部屋へ入ると蓋を閉じたままの段ボール箱のガムテープをメリメリと剥がし、箱の中から、ポッカリレモン・蜂蜜・砂糖を取り出すと、キッチンへ戻った。
LUZIAの~レッツ・クッキング~♪
超~簡単♪レモネ~ドよ♪
ボールにポッカリレモンを大さじ2杯入れて、それから水を200cc入れるのよ、蜂蜜は大さじ1杯で砂糖も大さじ1杯… 後はグルグ~ルグルグ~ル混ぜて、氷を入れたグラスに入れて~はい出来上がり~♪
LUZIAは、レモネ~ドに曲がるストローを差し、虹助の口元に寄せた。
「さぁ~ お飲みなさ~い、ひっひっひぃ」
LUZIAは、悪い魔女のような臨場感を溢れさせ、虹助の耳元で囁いた。
虹助は苦しそうな顔をし更に魘された…
「テヘッ♪」
LUZIAはペロッと舌を出して可愛い子ぶり 、2度目は囁かず虹助の唇の間にストロ ーを差し入れた。
チュッ… チューチューズズズズッ
喉が渇いていたのか、虹助はあっという間にレモネ~ドを飲み干した。
LUZIAはキッチンへ向かい、先程の残りのレモネ~ドをグラスに注ぐと、虹助の部屋へ戻りストローを虹助の唇の間に差し入れた。
チューチューチューズズズズッ…
2杯目を飲み終えると、虹助はゆっくりと目を開けた。
「LUZIA…はん… すんません…」
虹助は虚ろな目でLUZIAに言った。
「いいのよ、気にしないで♪ 1000円♪」
LUZIAはニッコリ笑った。
「ハハッ… 出世払いで…」
虹助は力無く笑った …
LUZIAは肩に斜め掛けにしたドレスと同じベルベット生地のポシェットから、白いレ ースフリルのハンケチを取り出し
「オ~イオイオイオ~イオイオイ…虹助~ !挫折45年、人生谷あり谷あり… 真っ暗谷だらけの可哀想な男だったけれど … LUZIA … あなたの事… 忘れないわ… グスンッ…オ~イオイオイ」
最後の別れのように、虹助の腹の上にしがみついた。
「いゃ… 死なんでしょ…礼言っただけですやん …」
虹助は劇画のような濃い顔をし、淡々とした口調でLUZIAに言った。
「オホホホホッ… 嫌ねぇ~ちょっぴりドラマチックにしてみただけじゃなぁ~ い… オホッオホホッゲホッゲホッ」
LUZIAは必至に取り繕おうとし、噎せ込んでしまった… 根はいい子なのだが… 悪ふざけが過ぎる困った人形である…
「LUZIAはん… 俺夜中にパソ友とやり取りしたんです、そしたらパソ友… 店も問題なくて死ぬ気も無かった言うんです… 閉店間際に来た客が帰ってから眠なって寝てまって … 起きたら…首つりの樹言われとる樹の前に立っとって… 首吊った言うんです… そな事…あるんやろか… でも、死んで迄、嘘言わんと思うんです… そんで、具合悪うな ってまって … LUZIAはん、そんな事あるんでっか?どう思います?」
虹助はダルそうな口調でLUZIAに話した。
「あると思います!」
LUZIAは何の躊躇いも無く応えた。
「LUZIAはん… 俺…話し本当やったら、パソ友が可哀想で …折角、夢叶えたのに思うたら… 辛くて… うっ…うっ… 」
虹助は、自分の事のようにパソ友を思い涙を溢した。
「虹助 … 」
あなた、やっぱり間違いなくIndigoね …
エンパスが強く、他人の感情や肉体的な痛みなどを、まるで自分の感覚のように感じ取ってしまう … Indigoの特徴の1つよ …
「虹助…体調が戻ったら、私をその樹のある場所へ連れて行ってくれない? そうしたら、もっと詳しく解ると思う… でも、今は 駄目よ、それと… 悪いけれど今日からパソコンはLUZIAが預かるわ… これ以上のパソ友とのやり取りは危険よ、解ってね… 後で お粥作って来るわ…今はゆっくり休んで…」
「すんません…うっうぅ…」
虹助はLUZIAの言葉にそう応え、LUZIAはパソコンを持ち虹助の部屋を後にした。
階段を上り3階へ行き部屋に入ると、段ボ ール箱の四角をビリビリとハサミを使い切り開き、ヴィクトリアン調の家具、ライテ ィング ピューロ ーをベッドの横に置き、机を開くと、その上にパソコンを置いた。
その後も、ガサゴッソと段ボール箱の中からドレスや衣類を出すと、備え付けのクロ ーゼットに収納し、お化粧道具と貴金属類はドレッサーの上、可愛いサロンチェアとロッキングチェアも置いた。
全て整えたLUZIAの部屋は、ヴィクトリアン調の家具が並び、貴族のお姫様の部屋、そのものだった。
「ふぅ~片付いた~あっ、これこれ…」
最後に、コーナーに置いたテーブルの上に 、ステンドグラスのランプを置いて完成である。
片付けが終わるとLUZIAはロッキングチ ェアに座り、ゆらりゆらりと揺れた …
日本だけじゃないわ …
世界各国でIndigoが消えている…
この家の前の持ち主も、その前とその前の前の前?… う~ん … これじゃ解らないわね …あっ、そうよ、これよね、前の持ち主3人とも誰かか、何かに消された …
3人ともIndigoよ …
世界中でIndigoの命が消されているの…
Indigo達が地球で覚醒する事を、善しとしない者達の仕業に違いないわ…
Indigoは地球の叫びに共鳴し、地上に降りた革命の魂よ、地球に住んでいながら地球の意志に逆らい、況してや乗っ取ろうなんて… 絶対に赦せないわ…
LUZIAの髪は逆立ち、炎のようにユラユラと揺れていた。
「あっ、いけない… LUZIA虹助にお粥作ってあげるんだったわ、怒りで忘れるところだった… 」
LUZIAはキッチンへと急いだ。
泡あわわで綺麗に手を洗い…
~LUZIAの~
レッツ・クッキング~♪
先ずは、お米をとぐのよ、ザッザッザ… そしてお米を溢さないように水を変えるのよ~LUZIA、お粥って言ったけれど…本当は雑炊かも知れないの… だって~ お米と玉子くらいじゃ栄養不足だもの~それでお米をといだら鍋に入れるの、あっ、知っている?お米ってねといでいる間に水を吸水しているから、吸水時間を長く取らなくても良いんだって♪
それから… 鳥肉、葱、ハムを小さく切るの 、本当に小さくよ、躰が弱っている時は消化しずらいらしいから、小さくね♪
切った具とお塩も入れて…水の加減は… 人各々あると思うけれど … LUZIAは鍋を平らな場所に置いてお米も平らにして、掌を乗せる、それから手首の外側にある骨、これを目安に水加減を決めているの、お粥は少し多めよ ♪始めは弱火、沸騰したらちょろちょろの火でゆっくり炊くのよ~炊き上がる寸前に、溶き玉子を鍋全体に円を描くように入れ蓋をして、ガステーブルの火を消すの♪ 出来上がり~♪LUZIA特製、お粥のような~雑炊のような~アンニュイな感じで完成~♪
LUZIAはニコニコしながら、アンニュイなお粥のような雑炊?を溢さないように虹助の部屋へ運んだ。
※ライティング ピューロー
書き机と戸棚が組み合わさった家具の事で 、机部分は開閉する。
※エンパス = 共感力




