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~ INDIGO ~   作者: MiYA
36/49

十字架の痕…



ドン ドン ゴンッ…



「ホホホ~ホ~ホ~ッ!」



Michaelは、スキップをしながら店のドアに近づき鍵を開けた。



「アーアーアァー アー 」



唸るような声を上げ、津田刑事がズカズカと店に入り込む …



「あれ … ? 何でGuedeは…?」



「アッアッ…」



津田刑事は顎をクイッと、店の外へ向け動かした…



「解んねぇよ… 喋ろ… 」



ボ ガッ



Michaelは飛び上がり、津田刑事の頭、前頭葉をスカルで殴った …



「あれ?何?何で殴られた訳?」



「いいから、早く説明しろ! Guedeは…」



Michaelの可愛らしい声は、野太い男の声にすっかり変わってしまった …



「怒んなよ~Michael~ 仲間だろ?本が無いならGuede会わないってよ~」



クルッ



「今の聞いた… 本が無いとGuede会わないって… 」



Michaelは振り返えり…



タタタタタタタッ !



素早く虹助に駆け寄ると …



顔をグッと、虹助の顔の前に出し…



「ねぇ… 聴~こ~え~た~?ホホホ~ホ~ホ~ッ!」



薄気味悪く笑った …



ジャラジャラと音を鳴らし、Michaelの首に掛かるスカルが揺れている、偶然、スカルの抉れた目が、虹助の目に留まった



助ケテ… 虹助ーッ!


オ願イ … オ願イ …


虹助ーッ!



灰色の人形達が…


手を伸ばし助けを求めている …



「本を棄てた所へ案内させろ … 本の欠片でも見つかればいいんだ … 連れて行け!」



Michaelは津田刑事に偉そうに命令をした。



「よう、ドライブしようぜ!死へのドライブ… 」



黄色い目をしてニヤニヤとキッショっく笑い、虹助の胸元を掴み立たせたると、店の前に止めた車へ乗せようと、掴んだ手を引いた …



パシッ …



「そんな事せんでも乗る… 汚ならしい手で触るなや!」



虹助は津田刑事の手を、振り払い…



「でも、聞きたい事がある!何で魂を救う事も出来るよなゲーデ言う人が、本1冊探されへんのや?可笑しいで …」



Michaelは目を見開き …



「Gue~deの元から~盗まれた~人皮装丁本に~誰かが~呪いを~掛けた!だ~か~ら~Gue~deの目に映らないっ!映らないから~探せない!そんな事出来るのは… あの魔女だけだっ!さっさと車に乗れっ!」



Michaelは胡桃(クルミ)割り人形か?と聞きたくなる程、喰われそうなくらい口を大きく開け虹助に言った。


虹助は何か考えているのか、険しい顔をしたまま、津田刑事の乗って来た車の後部座席に乗り、Michaelは虹助の横に座り、津田刑事は運転席かと思ったら助手席に乗り、運転席には、ニット帽を深く被り、サングラスを掛けた、得体の知れない男が座っていた。



虹助は行き先を告げていないが、車は走り出し、家の前を離れると…



「何処に行けばいいんだ?」



Michaelはギラギラした眼をして、虹助に聞いた。



「柳沢町 … あそこで1番有名な所や…」



何か策でもあるのか、それとも適当なのか 、虹助は柳沢町と応えた。



「柳沢町で1番有名? おい、何処だ?」



Michaelが後部座席から、津田刑事に聞いた



「ア~ア~ア~ ア~アアァ~」



「… … 戻ってんじゃねぇよっ!」



ゴッツ ッ ン !



Michaelがスカルで、津田刑事の頭を殴ると津田刑事の、頭の右側が少し陥没した…



「おいおい、Michael … もっと優しく扱えよ、痛かないけど壊れ物だぜ … 衝突された惑星じゃねぇんだからよ … 」



津田刑事は、Michaelに文句を言ったが



「うるせっ、聞かれた事だけ応えろ… ボッコボッコに凹ますぞ …」



Michaelは津田刑事を脅した。



「ちっ… 柳沢町って言ったら… 首吊りの木しかねぇな、有名なんて …」



Michaelは虹助から、眼を離さずじっと見つめ …



「よし、そこへ行け …」



ニット帽の運転手は無言で頷き、車を柳沢町へ向かい走らせた。




八重弁護士は店舗の前に車を止め、急いで降りると店舗のドアに手を掛けた。



「鍵は開いている… うっ、この臭いは… 今は臭い所ではありませんね… 虹助さん!虹助さ~んっ!」



勢いよくドアを開けたが、虹助の姿はなく 、店の中には腐敗臭が漂っている、階段を駆け上がり、リビング 、寝室のドアも開け 虹助の名を呼び見て周ったが、返事は無く虹助の姿は見当たらず、八重弁護士は階段を駆け下り店へ戻った。



LUZIAは右手に十字架を握り締め、左手でMr Rightの箱の上に、手を乗せ眼を閉じていた。



「LU… 」



八重弁護士は、LUZIAの名を呼びかけたが声を止め、店の中を見渡し異変は無いか確認しながら、LUZIAが眼を開くのを待った。



「弁護士さん、ごめんなさい… リビングのソファーの下に、皮のカバーが掛けられた本がある筈なの…その本を持って来て欲しいの…」



LUZIAは眼を閉じたまま、八重弁護士に話した。



「はい、今、直ぐに持って来ますね!」



八重弁護士は再び階段を駆け上がり、腰を屈めリビングのソファーの下を覗いた。



地球に降りたなら …


Indigoの命を救う事以外で、呪文を唱える事は禁じられている


Indigo達1人1人が、自分の力で逆境に立ち向かい、苦難を乗り越えなければ意味がないからよ …


それが、地球との約束 …


お願い… 教えて地球よ … 今はその時なの?


虹助の行き先が解らないなら …



「te-lio- きゃっ!」



十字架がLUZIAの手をすり抜け



バッ チンッ



LUZIAの額に貼り付いた。



「じゅっ、十字架~ なんの~真似~ … あっ… 虹助!」



LUZIAは十字架ショックで瞼を開いた、瞳に虹助の残像が映る…



「LUZIAさん、本、ありましたよ!LUZIAさんっ?」



カクンッカクンッカクンッ …



LUZIAは機械のように、ぎこちなく小刻みに首を振り、右手でゆっくりと額に貼り付いた十字架を剥がした。



「ふ~っ、有難う弁護士さん、虹助の行き先が解ったわ♪ 弁護士さん、ごめんなさい … それと、もう1度2階に上がって、虹助の部屋の机の上にお店の鍵があるから、持 って来て欲しいの… 本はLUZIAが持っているから♪ 」



「はい、解りましたが… あの~LUZIAさん… 額に赤く…十字架の痕が… 」



LUZIAは、そこは触れちゃダメよと言うように、キッと八重弁護士を睨んだ…



「あ、そうそう、鍵でしたね、鍵、鍵 …」



八重弁護士はLUZIAを恐れ身の危険を感じたのか、ソソクサと2階へ向かった。



ごめんなさい … 弁護士さん …



LUZIAはペコンッと、階段に向かい頭を下げると、八重弁護士の車の運転席に飛び乗り、挿したままの車のキーを回した。



ブロロロロ~ ブゥォ~ンッ!



LUZIAは八重弁護士の車を拝借し、1人柳沢町へと向かった。



「鍵、ありましたよ、LUZIAさ…ん… 」



LUZIAの姿はない …



八重弁護士はツカツカと歩き、店のドアを開け、車が無くなっている事を知ると、おもむろにスマホを、ズボンのポケットから取り出し …



トゥルル トゥルル トゥルッ…



「… 八重ですが … LUZIAさんが1人で虹助さんの元へ … ええ、それは大丈夫ですGPS機能で… ええ、はい、では、失礼します」



誰かと話し終えた八重弁護士は、住宅側の鍵が掛けられているかを確認し、Mr Rightの箱を持ち店のドアの鍵を確り掛けた。


その後は淡雪の家へ、徒歩で向かった。



「Mr Right … 正しい人ですか… 笑えますね …」



フッと笑いながら呟いた …



LUZIAは順調に車を運転していたが、すれ違う対向車の運転手や、助手席に座る人は皆、驚き、指をさし、そして、すれ違い様に、皆、振り返った … LUZIAの体長は50cm、対向車の窓からLUZIAの運転する車を見ると、無人に見える …



「不味いわね、急がないと通報されちゃうわ …」



ブロロ~ブゥォン~ブゥォ~ンッ!



LUZIAは車のスピードを上げた。




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