表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
~ INDIGO ~   作者: MiYA
34/49

Mr Right



八重弁護士とLUZIAとcielも、淡雪の家へ行き、1人黙々と手を動かし人形を創る虹助は、発泡スチロールから全てのパーツを削り出し、人形感と見比べながら人形の胴体 ・頭・顔・手・足と粘土を盛りつけて行き 、粘土を乾かす段階に入った。



「ふう~やっと休憩取れそうやな… 本にも 確り粘土は乾かすように!書いてあるしな、丸1日は置いた方がいい書いてあるな … よし、ほんなら、朝飯頂いてっと…」



虹助は八重弁護士が、買って来てくれたハンバーガーとポテトと牛乳を食べ始めた。



「モグモグ、あ~そや、淡雪はんからの封筒 … 何入ってんやろ?」



モグモグと口を動かしながら、虹助は封筒の中を覗く …



「んんっ!ゲホゲホッ!う~苦し~… 驚いてレタス詰まったわ… なんで~金なんか… 手紙も入っとる…」



虹助は茶封筒の中から、手紙を取り出し折り目を広げた。



ヒラッ…



手紙の中から写真が1枚、静に床に落ちたので、虹助は写真を拾い上げ見てみた …



「これは ? 淡雪はんと骸骨が肩組んで写っとる … 淡雪はん、ゴッツ笑っとる… 淡雪はん若いなぁ~ハハハッ、グーって親指立てとるわ~ハハハッ」



満面の笑みを浮かべる淡雪の写真を、作業台に置き、虹助は手紙に目を通した。



虹助 君へ



創作活動は順調なようですね、大いに頑張って下さい。


この写真は、私が芸術の幅を拡げる為、絵画から造形を始めた際に、最初に創り上げた作品です。


作品名は、軋む月の番人 …


虹助君の作品を見て、懐かしく思いました


まるで、昔の私を見ているようです…


それと … もう1枚の別紙には、人形のコンテストの情報の案内が載せられています。


創作意欲に燃え、励み、心の中では無く、虹助君の手の中に夢を握って下さい。


見守っていますよ …


それと… 現金も少々入れました …


済みません… 出過ぎた事とは思いますが、何かの役に立てばと思い … 同封致しました


ああ、使わなければね、香典で返して頂いても結構ですから … 冗談です …


使って頂ければ幸いです…



淡雪 涼一



虹助は手紙を持つ右腕で、目もとを拭い…



「すんません … 迷惑かけて… すんません …俺 … 頑張ります! 」



虹助は、淡雪の優しさに更に頑張り、淡雪を安心させるんだ!と心に誓った。




ピ~ンポ~ン



「あれ、チャイムや… 何やろ?」



虹助は涙を袖口で拭い、住居側のドアへ向かった…



「はい? 誰~ ?」



「すいません、エレファントです~!」



「あっ、今、開けますわ…」



カチャッ …



「すいません、海外からお荷物が届いています~」



「あっ、はい…」



虹助は送り状を確認した。


荷物はフランスからで、淡雪の名前で虹助宛てに送られていた…



「はい、間違いないんで …」



何やらエレファントの配達員は、キョロキョロと店の方、虹助の背後を見ている…



「何でんの?」



「あっ、済みません… あの~ 先日、此方に伺った者が、可愛いらしいカラクリ人形が 対応してくれたと話してまして … 私も見てみたいな~と …」



虹助は首を傾げた …



「カラクリでっか?」



「はい~ ロボット声の可愛いお姫様の人形だと聴きました~」



お姫様? LUZIAはんか!



「あぁ~ 今ね外出中やわ… ハハハッ、帰ったらエレファントにファンがいる伝えときますわ~ハハハッ!」



虹助は笑いながら、冗談ぽく話しエレファントの配達員は、ガッカリした顔をして段ボールを1箱虹助に手渡し帰って行った。



「何から何まで… 淡雪はん… すんません」



虹助は、受け取った段ボール箱を店に運び



「フランスからやから … あっちにあった人形、直接送ったんかな? それとも… 材料?」



虹助は段ボール箱を開けた。



虹助は段ボールの中を覗き込む …



「何や? 箱の中に箱 … マトリョーショカか? ハハハッ、何やろ出してみよ …」



段ボール箱の中に入っている、箱を持ち上げると、箱に文字が書かれ…



「Mr Right … ミスターライト? 光るんか? 何か箱ん中に人形入っとる… この人形の名前が、ミスターライトなんかな?正しい人言う意味やな… 何か… チ ャッキーの映画思い出すな… まぁ.気のせいやな、この人形も箱から出して店に置く言う事なんやろな… 」



虹助はMr Rightの箱を開け、人形を持ち上げた…


髪は腰までの長さで色は黒 … バサッと下ろしたままだ…


瞳は … 緑の外輪で内側は黒… 何ともエキゾチックな雰囲気


首には … スカルが幾つも繋げられた首飾り?


洋服は… 黒いマントに赤いシャツ、黒いデニムに黒いスニーカー …



見た目で判断は出来ないが、本当に… 正しい人なのかと思うような姿だ …




H i !I a~m… …



「うわっ!喋った… でも、止まった …電池 切れたか?」



虹助はMr Rightの背中を見ようと、人形を裏返した…



ho ho ho~ho~ho~!


ho ho ho~ ho~ho~!



「うわーっ!何~っ!怖いわ~ 突然来るんやな … 心臓ドッキィ~いうたわ~ 」



虹助はMr Right人形を床の上に置き …



「悪いけど… おいちゃん、英語得意やないねん… 日本語喋られへんの? 無理やわな~ ハハハッ!Aiやあるまいし…」



バサバサッ…



「えっ!瞬きするんや … へぇ~凄いな~」



ギーガチャン ギーガチャ …


ピロロロロロロロピコンッ …



Mr Rightの目の玉が白目に変わり、白目の中に数字が流れた …



「なっ… なんや … 」



ピッコーンッ!



目が光線を放ち白目の数字が消え、光線が消えると、目の玉も元に戻った…




初めまして!僕はミスターライトっ!ホホホ~ホホ~!



Mr Rightは日本語で、虹助に話し掛けた




「へぇ~凄いわ~ 淡雪はん、凄い人形創らはったんやな~」



はったんっ!はったんっ!



Mr Rightは虹助を真似た…



「ハハハッ!これは凄可愛やな!はったんっ!はったんっ!ハハハッ!」



虹助は直ぐにMr Rightを気に入り、愛らしさに微笑んだ …



ポッ …



Mr Rightは頬を赤らめた …



「うわぁ~驚きやな~ 生きてるみたいや … 他にも何か出来るんかな… 説明書は箱の中かっと …」



虹助はMr Rightの箱の中を見てみたが、説明書は入っていない、箱の裏には何やら書いてあったが… 虹助には読めなかったので 、淡雪に聞いて見ようと、電話を掛けた。



ツーツーツー



電話は通じない、どうやら淡雪は話し中のようだ … 虹助は考えた、明日になると人形を創り始めるので、今日のうちに聞いておかなければ…



「そうや!Mr Rightを持って淡雪はんの家へ行けばいいんやな、ほなら、全て解決やな… お礼も言わな …本当は2作目出来てから思っとったけど… 今日や、 そうしよう~」



虹助はMr Right人形を箱に入れ、淡雪の家へ持って行こうと、人形に手を伸ばした。



「嫌だ!嫌だ! あの家には魔女がいるから、僕、行きたくないよ~ あ~ん!」



Mr Rightは泣き出した …



「うわっ!魔女って … 誰の事や…?」




虹助は目をパチクリさせ、Mr Rightに聞いた。



「LUZIAって言う魔女だよ!うぁ~ん、僕をこの人形に閉じ込めたのは、LUZIAって言う魔女なんだー!うぁ~ん!」



「そんなアホな … 」



虹助は苦笑いをした …



「どうして? どうしてLUZIAは信じるのに、僕の話は疑うの? 僕がスカルを下げているから?僕の容姿が妖しいから?違うよ 違うよ!これは全部、あの魔女が着せたんだっ!僕の言う事なんか誰も真に受けないように… 全部、魔女が仕組んでるんだよ~ 解ってよ~ 信じてよ~お願いだよ~うぁ~んっ!うぁ~んっ!」



Mr Right人形は泣いていた。



虹助は心の中で …


誰にも、信じてもらえんのは …


辛いわな …


そやけど …


LUZIAはんが魔女とも思えんしな …



「よし!それなら、おじちゃんの質問に答えてくれ、おじちゃんそれ全部聴いて決めたいんや、ええか?」



「はいっ!」



Mr Right人形は、涙を赤いシャツの袖口で拭い、真剣な顔をして虹助を見ていた。



ずっ … 随分、眼力がある子やな … あぁ、そや質問やな …



虹助も真剣な眼差しで、Mr Rightを見つめた…




「じゃ… 名前は?」


「僕の名前はMichael … Michael Jefferson(ジェファーソン)…」



マイケルは真っ直ぐに、澄んだ瞳で虹助に答えた …



「そやな、待てや、メモるわ… 大事な事やからな …」



虹助はノートに、Michaelのフルネームを書いた。



「それじゃ、次や、何処に住んどった?」



「westchester(ウェストチェスター)Mount(マウント) vernon(バーノン)だよ… 」



虹助はメモを取る …



「それじゃ、LUZIAはんとは… どないして出会ったんや…?」



「うん … 解った話すよ … 僕ねダンサーを目指していたんだ … Michael J に憧れて … けれど、彼が亡くなって… 僕は目標を失って … お酒と… 薬に… 溺れたんだ… 肉体的にも精神的にも不安定な状態で … そんな時に魔女がやって来たんだ … 地球からの使者だとか言って… でも、僕、そんな状態だから… 最初は幻覚かと思っていたんだ、魔女は必死に僕を救ってくれたよ …薬や酒から…でも、嘘だった!魔女は… 最後に僕の魂を砕こうとしたんだ!僕は酒と薬から立ち直った、魔女の力だと思うけど … そしてダンスの講師の仕事をするようになったんだ… そんなある日の夜 … 魔女は僕に… 僕の大好きなMichael J のTHRILLERを一緒に踊ろうと言ったんだ … 僕は魔女をすっかり信用していた、何の疑いも持って居なかった… なのに… 魔女は … 隣の家のガス爆発に見せかけて、僕を殺したんだ …」



Michaelの眼は、真剣そのもの …



「何の為に … 何の為に殺すんや?」



「信じて貰えないかも、知れないけど… 僕はIndigoと言う、特別な魂を持つ人間だったらしいんだ … Indigoには使命があって、 Indigoの魂を持つ1人1人が、その魂の想いを成し遂げると、地球のオーラが変わるんだ… 魔女は、地球のオーラを小さくして 、そして軈ては全て消す為に現れたんだ!僕には解る … 貴方もIndigoでしょ? 光輝けば魔女に殺されるよ!本当だよ!僕は殺されたんだから! 」



虹助は、どちらの話が本当なのか、直ぐには判断が出来なかった … 暫く虹助は頭を抱え考えていたが …



「なぁ、Michael … そんなら、何で家に来たんや … 家にはMichaelが魔女や言うLUZIAさんが住んどる、普通に考えたら1番避けたい家やないか? 何でや?」



「それは … 魔女を此処に封じ込める為だよ!僕はIndigoの代表として、魔女と闘う!」



Michaelはスカルの首飾りを、右手で胸の前に出し、虹助に見せながら話しをした。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ