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~ INDIGO ~   作者: MiYA
33/49

チャレンジ1年生



「虹助さん、LUZIAさん、提案ですが… 取り敢えずは、淡雪さんの家へ行ませんか?その方が安全では無いでしょうか…」



八重弁護士の言葉に虹助は …



「LUZIAはんとCielを頼みます… 俺は、今は行けまへん … 誰が来ても何が起こっても 、 俺、今は創りたいんで … すんません …」



「ダメよ!八重弁護士の言う通りよ、虹助も行くのよ!今は皆一緒に居るのが一番よ!」



LUZIAは真っ赤な目をして、虹助を説得しようと話したが …



「俺の今の一番は、人形創る事です… 身の安全確保も大事ですが … 今、想うもんは今しか創れまへん… 俺は未だアマちゃんなんで… すんません… 」



虹助の決意は固く、八重弁護士は、着替えとお泊まりセットが必要だと言うLUZIAを待つ間、虹助の朝食を買いに出た。



「あっ、そや … 柱時計 …」



虹助は椅子を柱時計に寄せ、上に立ち上がり柱時計を外し、夜8時から12時間後の朝8時迄、時計が鳴らないようにセットされているかを確かめた。



「… セットされとる… ほな、何で鳴ったん…?」



考えると躰がザワつく… それに時間も無駄になってしまうと 、虹助は柱時計を元に戻し人形創りを始めた。



八重弁護士が戻り、虹助に朝食を渡した。準備を整えたLUZIAは、cielを抱き淋しそうに2階から降りて来た…



「あ、そうそう、虹助さん、これを…」


「何でっか?」



八重弁護士は茶封筒を、虹助に渡した



「淡雪さんからです、私も何が入っているのかは存じ上げませんが、お渡しするようにと… 此方に伺う前に託されました…」



「はぁ … ほな、後で…見ときます…」



LUZIAは何度も振り返り、心配そうに虹助を見たが、虹助は微笑み手を振るだけだった。



淡雪の家に着くと…



「お爺さ~ん! うわぁ~ん!」



玄関で待っていた、淡雪の膝にCielを抱いたまま飛び乗り、LUZIAは泣き出した。



「もう、大丈夫ですよ、LUZIAさん… 泣かないで下さい… 私まで胸が苦しくなってしまいます … おや ?虹助君は… 」



「あのね、LUZIAね、ひっく、虹助に言ったのにね、ひっく、虹助、人形を創るからね、行けないってね、ひっく、そう~言~う~の~ うわぁ~ん!」



朝から泣きっぱなしのLUZIAは、淡雪に話すと、更に輪を掛け大泣きをした…



「そうですか、 虹助君が … では、リビングへ行きましょうね …」



淡雪は虹助の事をLUZIAから聴くと、大きく頷き、車椅子をリビングへ向け動かし 、 その後を、困った顔をした八重弁護士が、ゆっくりと歩いた。



LUZIAはCielとソファーに座り、少し落ちついてから、八重弁護士が淡雪に事の次第を説明した。



「Michael? Michaelと言う方は… あの方ですよね… night(ナイト) connection(コネクション)しようぜ~baby(ベイビ)~♪リングリング電話が…」



「それ違う … Emman~ue~l(エマニ~エ~ル) … Michael関係ないし、カスってもいない… LUZIAもビックリ!残念ですよ、お爺さん …」



LUZIAのキッツイ突っ込みに、淡雪は顔を硬直させ、受話器を耳にあてる真似をしたまま、フリーズ … 八重弁護士は慌てて …



「LUZIAさん、淡雪さんのご自宅には見ての通りTVは置いてないんですよ… お若い頃からなんですよ… 哀しんでいるLUZIAさんを何とか笑わせようと … 淡雪さんは捨て身でチャレンジ1年生ですよ、アハハハ、ハ ーハアハアハ ッ! 」



大の大人が2人で、何とかLUZIAが元気を取り戻すようにと、笑えないギャグを連発し尽くした。



「ごめんなさい、 お爺さん… 冗談は顔だけよね… Michaelとの事、話すわね…」



LUZIAの少しキツメの労りの言葉で、淡雪のフリーズが溶け、八重弁護士も平常心を取り戻した。



「MichaelはIndigoの1人よ… 虹助の所に来る前にLUZIAは、目覚めさせに向かったの

… 彼はdancer(ダンサー)を目指していて、同じ名前と言う事で、Michael Joseph(マイケルジョセフ)Jackson(ジャクソン)に憧れていたわ… いつかMichael・J と同じ舞台に立てるようなDancerになりたいって… けれど… Michael・Jが死んでしまって… 希望の光りを無くしてしまったの… LUZIAは Drug(ドラッグ)と酒に溺れてしまったMichaelに地球の指示で出会い、彼を何とか立ち直らせて、大好きなDance(ダンス)と、彼の魂が離れないように講師になる迄、側にいたの… もうMichaelは大丈夫!最後の夜は2人でTHRILLER(スリラー)を踊って… 翌朝、Michaelが眠っている間に、LUZIAは家を出たの… 空港の中を荷物箱を探して人目を忍び歩いていたら、TVのニュースで … Michaelの住むアパートの、隣の家で起きたガス爆発に巻き込まれて、Michaelが死んだ事を知ったわ … LUZIAは引き返したわ、けれど … Michaelの遺体には会えなかった … 遺体が無くなっていたの!それに、あのガス爆発で亡くなったのは、Michaelだけだった、隣の家の住人は1ヶ月前に引っ越していて 隣は空き家だった …アパートの住人は全員外出中… それ以上 、LUZIAにはどうにもならなくて … 空港に行ってJapan行きの荷物に乗ったのに… 何故か経由途中の空港で、突然、荷物検索が始まって、慌てて逃げ出して … 貨物船に乗ったの… Michaelの死も納得できないし…空港での事も…何かが邪魔をしているとしか思えない… だってMichaelは、LUZIAが家を出た数時間後に、postman(ポストマン)のドアを叩く音で目覚めて手紙を受け取って…Broad way(ブロードウェイ)に行く事になっていたのよ … Michael本人は知らなかったわ、知らせてはイケナイ決まりだから … 誰かが意図的にMichaelを殺したとしか思えない!… けれど… LUZIAが殺した事にされているの … 何故?どうして… 」



LUZIAはポロポロと、静かに涙を落として泣いた…




「LUZIAさん、辛い話しをさせてしまいましたね、申し訳ありません… 私も八重さんも、そして虹助君も、LUZIAさんを疑ってはいませんよ… 安心して下さい … Michaelさんの死に細工をした者がいるなら私も許しません、Michaelさんも人の心を動かし、感動を与える手段を手に入れた1人 … 芸術を愛する者、創造の民ですよ、えぇ 間違いありません!ですから、私は仲間ですよ… 人に感動を与えるには必ずそこに哲学があります、哲学の無いものと言うのは… ふぁっふぁっふぁっ!軽い軽い、まるで茶番です!明日には忘れてしまうような 、そんな物です!併し本物は違います…Michaelさんは、Broad wayに呼ばれる実力者であった … 悔しいですねLUZIAさん … 」



淡雪の眼からは、ドードーと滝のような涙が流れた …



「LUZIAさんのお話をお聴きして、やはり 、心配ですね … 虹助さんを何とか連れて来ましょう!」



八重弁護士は、ソファーから立ち上がった



淡雪は涙を拭い …



「ふぁっふぁっふぁっ、八重さん、虹助君は来ませんよ… それより、Salome(サロメ)の練習が 必要ではありませんか? 虹助君の2作目の作品が出来上がったら、お店の開店ですからね、ふぁっふぁっふぁっ、楽しみですね~ 」



淡雪の言葉に、LUZIAは主演女優である事を思い出し、涙を止め瞳を輝かせた…



「あの~ 私は何を …するのでしょうか …」



八重弁護士は恐る恐る、淡雪に聞いた…



「私がJohannan(ヨハナーン)ですから…八重さんは Le roi Herode(ヘロデ王)ですね … Herodies(ヘロディア)は… あ、そうですね … ドレスの職人の…ああ、失礼 、私の知り合いにピッタリの方がいるのでお願いしますよ、ふぁっふぁっふぁっ ! 楽しみですね~」



淡雪は目を細めニッコリと微笑んだ。



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