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リサの思い
同時刻 私立翡翠高等学園 生徒会室
リサと茜、そして呼び出された月白がいる。
「どうかしら? 新君は? 紅緋さんと一緒に戦っている姿なんて凄く絵になっててかっこ良かったと思うんだけど」
リサは少し興奮ぎみに二人に話した。
「お嬢様、主観が入り過ぎです!」
「そうかしら? 槍を手に蜘蛛の妖を倒していく姿は何度思い出しても胸が熱くなるわ」
「はい、はい。でも、彼が手にしていたのは槍では無くてモップですからね」
茜はリサを見てやれやれっていう表情で話す。
「でも、不思議な少年だな。今にも壊れそうなのに何か奥の方に力強いものを感じる」
すっかりくつろいでいる月白が言う。
「そうよね。そこがまたいいのよね。実際、新君には変わって貰わないといけないし」
「覚醒か……」
リサの言葉に月白が反応する。
「そう上手く行くでしょうか?」
茜は不安げな声でリサに聞いた。
「私は新君だったら大丈夫だと思う」
「月白はどう?」
「それは少年の心次第だな」
月白は茜の問いに前足を舐めながら答えた。