和哉VS蛇の少年
同時刻 私立翡翠高等学園 三階渡り廊下
「オン マユラ キランディ ソワカ」
「孔雀明王よ。人々に厄災や苦痛を与えし魔を取り除け!」
御代志和哉は未來から受け取った棍を右手に持つとそう言葉を発した。すると右手の棍は次第に金色の銃へと姿を変える。
和哉は右手に金色で義覚と刻印された銃を、左手には銀色で義玄と刻印された銃を少年の姿をした蛇の妖魔に向かって構える。
「浅葱! 待たせたな。下がっていいぞ!」
「はい! 和哉さま」
エナジーソーサーとエナジーウォールで妖魔に対していた浅葱は和哉の後方へと下がった。
「オン シュリ マリ ママリ マリシュシュリ ソワカ」
「烏枢沙摩明王よ。烈火の炎で不浄のものを焼き尽くせ!」
和哉がそう唱えると手にした金と銀の銃口が赤く光り火を噴き始める。
二丁の銃から発射された炎の弾は少年の姿の妖は蛇魔と化している両腕を蜂の巣のように撃ち抜き消滅させた。
「へー、その刻印とその真言、役小角の所縁の者なのかな?」
腕が無くなった筈なのに少年の姿の蛇の妖魔は平然として、いや、口元に薄笑いさえも浮かべている。
「そんなのお前の知ったことか!」
和哉は構わずに少年の妖魔に対して炎の弾を放つ。妖はその弾を上半身を左右に振って避けた。
「さてと僕もそろそろ本気を出そうかな?」
少年の姿をした蛇の妖魔の両肩がむぐむぐと動き出し無くなった筈の左右両腕が生えてくる。少年は再生した掌を開いて閉じてしっかり動くことを確認した。
「面白いでしょう。妖魔は人間と違ってこんな芸当も出来るんだよ」
そう言うと右手の掌を突き出す。
「蛇弾!」
少年の掌から真っ黒な塊が発射され和哉の左の耳をかすめるように壁に着弾する。壁には直径50センチくらいの大きさの穴が開いて粉砕された壁の粉塵が外からの風によって廊下に舞い込んだ。




