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精霊界の女王 アリシア

 僕の目の前の風景が一気に広がる。

 水晶を敷き詰めて造られている様に清らかでキラキラ輝いて大きな宮殿を思わせる部屋に出た。

「お待ちしていました」

 部屋の奥の玉座に座る女性が僕たちに声をかける。その女性は金髪で透き通るような白い肌に青い瞳を持ち豪奢なドレスを身に纏っていた。

「アリシア様、未來くんをお連れしました」

 ジョーカーはアリシアの前に出て片膝をついて恭しく頭を下げる。

「お手数をおかけして申し訳ありませんね。ジョーカー」

 アリシアは微笑みながらそう言うと何が何だか分からずにぼーっと立っている僕に話しかけた。

「貴方が新未來くんですか」

「はい」

「私は精霊界の女王アリシア ブランシュです」

 ああ、この人が紅緋の言っていたアリシア様か……という事は僕は今精霊界に来ているのか? だとしたらどうして妖であるジョーカーがここにいるんだ?

 僕の困惑している様子を見てアリシアは不思議そうに尋ねた。

「どうかしましたか?」

「あ、いえ、ここは精霊界ですよね」

「そうですよ」

「えっと、どうして妖魔であるジョーカーさんがここにいるのかと思ったんです」

「あぁ、その事ですか」

 アリシアは意に介した様子も無く笑顔で答える。

「ジョーカーとは旧知の仲なのです。まあ、詳しくは申し上げられませんが。それに今回は紅緋を助けて頂いたので私としては感謝の気持ちでいっぱいです」

「勿体ない御言葉です」

 ジョーカーはより一層頭を垂れた。

「未來くん、どうですか? 少しは納得出来ましたか?」

「は、はい」

 アリシアとジョーカーが知り合いだったという事は分かったのだが、ジョーカーに関してはより一層謎が深まったような気がする。

「では、本題に入りましょう」

 先程までの笑顔から一転、アリシアは凛とした引き締まった表情で話し始めた。

「紅緋はここ、精霊界にいます。ただ、鏡の呪縛は解いたはずなのですが鏡から出て来ようとしません」

「何故ですか?」

「それは私にも分かりません。それで未來くん、貴方に来て頂いたのです」

「それで紅緋のいる鏡は今どこに?」

「こちらの奥の部屋にあります」

 そう言ってアリシアは右側にある扉を指し示した。

「この先の部屋には未來くん一人で行って紅緋と話してきて下さい。そして必ず二人でこの扉から出て来て下さい」

「わかりました」

 僕は力強く答えて真っ直ぐに扉に向かって歩く。真っ白で飾り気のない扉で金色のドアノブに手をかけ部屋の中へと入った。

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