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精霊界へ

放課後 私立翡翠高等学園 音楽室


「こういう経緯です」

「で、紅緋は今何処に?」

「私が今からお連れ致します」

 ジョーカーはそう言うと何か呪文を唱えながら音楽室の壁を指でなぞる。なぞられた壁は僕には読めない文字を浮かべながら消えていき、その奥からいろいろな色の光の帯が伸びて音楽室を彩った。

「それでは行きますか?」

 ジョーカーが先に、僕は後から消え去った壁の中に足を踏み入れた。中は様々な色の光が不規則に飛び交いまるで車酔いしたかのように気分が悪くなってくる。

「周りを見ずに正面の光源だけを見て歩いて下さい」

「はい」

 ジョーカーの気遣いに僕はこの人は本当は良い人で敵ではないのではないかと思ってしまう。

「ジョーカーさんはどうして僕たちの為にこんな事をしてくれるんですか?」

「さて、どうしてでしょう。えーと、未來くんが可愛いからじゃあダメですか?」

「はっ?」

 僕はジョーカーの言葉に思わず後ずさった。

「あはははは、冗談ですよ。こんな冗談を言うといろいろな人に殺されそうですね。……殺らせませんけどね」

「じゃあ、何なんですか?」

 僕はジョーカーの冗談に苦笑しながら聞いた。

「それは教えられません。今はまだ敵同士ですから……と、どうやら着いたみたいですね」

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