少年
放課後 私立翡翠高等学園 三階渡り廊下
「……ん?」
僕は目を擦った。
渡り廊下の向こうの第二校舎に見た事の無い少年が立っているように見えたのだが、次の瞬間には消え去り、また姿を現わすっていうまるで蜃気楼を見ているようだ。
「なんだ……?」
よく目を凝らして見るとうちの制服を着ているけど髪は真っ白で顔も血の気が無い位に白く、まったくこの世に生を得ているとは思えない。
「くそっ! 妖魔か!」
紅緋が居なくなったために僕ははっきりと妖の姿を認識する事が出来なくなったみたいだ。
少年は僕を見てニヤリと笑いこちらに向かって歩き始めた。
僕はすぐに和哉から貰った金色の棍を伸ばし構える。
見えては消え、消えては見える少年の姿は歩きから早足、駆け足から全速力で僕に向かってくる。そして僕の前まで来て右手で殴りかかる。
僕はその拳を避けるためバックステップを踏むが、少年の右手は蛇へと変わり僕に噛みつこうと伸びてくる。
「蛇の妖魔か!」
僕は棍を使い右手の蛇を弾き飛ばす。少年の姿は一瞬消え、今度は左手の蛇の攻撃が伸びてくる。
始めのうちは棍で何とか凌いでいたのだが、少年の姿がはっきりと目視出来ないのと、左右の蛇の連続した攻撃で次第に廊下の壁に追い詰められていく。
棍を左右の蛇に掴まれ壁に押し当てられた僕に少年は顔を近づけた。
「いただきます」
少年の口が裂けていき僕を呑み込もうと大きく開く。
こんなところで殺られる訳にはいかない!
でもどうする?




