月白の怒り
「……和哉さま」
浅葱が未來を抱きしめながら傷ついている姿を見ながら声にならない声を発した時に後方から大きな声が聞こえてきた。
「浅葱さん! どういう事なの? これは!」
浅葱の後ろに神凪生徒会長たちが来ていた。
「神凪さん! お願いします! 和哉さまたちを助けて下さい……」
浅葱は神凪生徒会長に駆け寄り手を握って懇願する。そんな浅葱を落ち着かせるように神凪生徒会長は微笑みながらゆっくりと話す。
「浅葱さん、落ち着いて、何があったのか話してもらえるかしら?」
「はい」
浅葱は今ここで起きた出来事を神凪生徒会長たちに説明した。
「そう。そんなことが……」
神凪生徒会長は沈痛な面持ちでエナジーウォールの中にいる二人を見る。
「それで、漆黒というのは彼女のことですか?」
月白が漆黒の前に立ちはだかり鋭い眼光を放つ。
「あなたはこうなる事を知っていて行ったのですか?」
「そんな事! 私の知ったことでは無い! 私はルールに則って紅緋をジャッジしただけだ!」
「そうですか……ならば、今すぐにここを立ち去りなさい! 私の怒りが抑えられてるうちに!」
月白は今にも跳びかからんとする自分の身体を抑えるようにギリギリと音を立てながら歯をくいしばり漆黒を威嚇する。
「わ、分かったわ。でも、私は間違っていない!」
そう言い残すと漆黒は姿を消していった。
「さて、どうするか……」
青緑色のドーム状のエナジーウォールの中にいる自分を失っている未來と、未來の攻撃により傷だらけになっている和哉を見ながら苦しげに声を絞り出す。
「月白! 今すぐ自らを解放しなさい!」




