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ふたたび

 早朝 新邸


「紅緋! これっていったいどうしたの?」

 ベッドから這い出して窓の外を見た僕の眠け眼に映ったのは時間の流れの変わった世界だった。紅緋はすぐに指輪から本来の姿に戻り僕の前に降り立つ。

「学園の方に大きな妖の気を感じる! たぶんその影響で時間の流れが変わっているんだよ」

「そうなの! それじゃ、急いで行かかないと!」

 僕は着替えて紅緋と家を飛び出した。学園までの道すがら通勤通学で目的地に向かっている人たちを避けながら走る。校門に着いた時に僕と紅緋の目に入ってきたのは驚くべき光景だった。


「紅緋、さ、さすがにこれは……」

「う、うん……あたしも見たことが無い」

 僕らの目の前には学園の校舎と同じ大きさの蛇の妖魔がとぐろを巻いていた。

「未來! 遅かったな!」

 声のする方を見るとそこに和哉と浅葱が、その奥に神凪生徒会長と茜と月白がこちらを見て立っていた。

「これって何なんですか?」

「この間逃した蛇の妖魔ね」

 僕の問いに神凪生徒会長が険しい顔で答える。

「でも、この大きさは……」

「そうね。蛇の妖魔も考え無しに戻ってきた訳では無いみたい」

「どういう事ですか?」

「校舎内に妖力の(コア)を配置して自身の妖力を高めているようね」

 妖力の高まったこの大きさの妖魔とどう戦えばいいのだろうか。そんな気弱な僕の心に寄り添うように紅緋が僕の手を握る。

「茜、どう? 妖力の核は見つかった?」

 神凪生徒会長は茜に声をかけた。

「月白が今、最後の一つを探している。全部で三つあって、一つ目は一階体育倉庫室の中、二つ目は三階音楽室、三つ目は……」

 校舎を睨んでいた月白が振り返りニヤリと笑う。

「屋上、衛星放送アンテナの下だ」

「分かった! それじゃあ俺たちは体育倉庫室のを片付ける!」

 和哉はそう言うと浅葱と一緒に走り出していった。

「私たちは音楽室の方を、新君と紅緋さんは屋上のをお願いします」

 そう言って神凪生徒会長と茜と月白は和哉たちの後に続く。そして僕と紅緋も遅れまいと追いかけた。

 前方で和哉と浅葱が銀色の銃とエナジーソーサーで巨大な蛇の妖を引きつけてくれてる隙に校舎へと入る。校舎の中はやはり蜘蛛の妖魔と蜂の妖魔がうごめいていた。

 紅緋が炎の短剣で、月白が前足で、妖魔たちを葬り前に道を作る。僕は和哉に貰った棍を手にして神凪生徒会長と茜を守りながら前に進む。

 三階まで来たところで神凪生徒会長たちと別れ僕と紅緋は屋上に上がった。

「えっと、衛星放送アンテナは……っと……あった!」

 衛星放送アンテナの下に黒々とした妖気を放つ宝石のような物質が置かれている。

「よし。あれを壊せば……」

 僕と紅緋が妖力の核を破壊する為に踏み出した時に一つの声に呼び止められた。


「待ちなさい! 紅緋!」

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