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新たなる敵?

 通常の昼休みの時間を取り戻した教室はいつもの光景が広がっている。みんなはその場でお弁当を広げる者、学食に行く者と思い思いの行動をしている。ただ、妖魔に操られていた男子生徒は辺りをキョロキョロ見回していた。


「お、俺、どうしたんだ?」

「そこの椅子に足を引っ掛けて転んだだけさ。怪我してねえみたいだから気にするな」


 和哉はその男子生徒の肩を叩きながら笑顔で話している。男子生徒はしきりに首をひねりながら自分の席へと戻っていく。


「和哉、中々強引な説明だったよね」

「まあな、でもこれくらいが丁度いいんだよ。彼の為にも……」

 確かに和哉の言う通り妖魔に操られていたなんて彼にとって知らない方が良い事実だ。


 そんな僕らの所に隣のクラスから女の子がやって来た。やはり高校生とは思えないくらい幼く見える神凪茜だ。


「新未來、御代志和哉」

「なんだ? ガキんちょ?」

「ガキんちょ言うな!」

「それじゃあお子様か?」

「貴様〜!」

 茜は顔を真っ赤にして怒りに震えている。


「和哉! いい加減にしなよ! 茜に失礼だよ!」

「わかったよ。悪かったな」

「ふん。どうでもいい」

 茜は謝る和哉に目もくれず続けて話す。


「とりあえず私がここに来たのはお嬢様からのメッセージを伝える為だ」

「神凪生徒会のメッセージ?」

「そう。放課後、二人で生徒会室に来て貰いたい。以上」

 そう言うと茜はそそくさと僕たちの前から去ろうとする。そんな茜に和哉が声をかけた。


「そんな慌てて帰らなくてもいいんじゃない?」

「これ以上話すことはありませんから。特に貴方とは!」

 茜は和哉に強い口調で言い放ち僕たちの教室から出て行く。

 僕たちは怒りのまだ収まっていないであろう茜の後ろ姿を見送った。




 放課後 私立翡翠高等学園 生徒会室


「今日は二人共、同席して頂いてありがとうございます」


 神凪生徒会長はいつもと変わらず柔かな表情で僕たちを迎えてくれた。

「早速ですが、学園内の妖魔を一体倒して頂いて感謝します」

「いえ、でもこれで学園の妖魔はいなくなったんですよね」


 僕は昼に和哉にした質問と同じものを神凪生徒会長にしてみた。

「それは……」

「俺から答えよう」

 言い淀んでいる神凪生徒会長の意を解して和哉が話し始める。


「さっきは未來が不安になるかと思って話さなかったが、妖魔はまだいる。そしてその妖魔の狙いは未來。お前だ!」

「えっ、僕が狙われているの?」

「ああ、昼休みのあの操られていた男子生徒も蜂の妖魔も未來を標的にしていた」

「どうして僕が標的になるの?」

「私が説明します」


 そう言うと神凪生徒会長は普段は見せない難しい顔で話し始める。

「前にも話しましたが新君の心の色は無色透明だと」

「はい。覚えています」

「でも、現実的にそんな人なんて居ないんです。どんな人でも何らかの色に染まっている」

「じゃあ、どうして僕は?」

「それは私が見た新君の心の色は外殻にすぎないってことです。実際の心は無色透明の外殻の中にあるんです」

「妖はその未來の内側にある心の解放を狙っているのか……」


 和哉は苦虫を噛み潰したような顔で神凪生徒会に聞いた。

「で、未來の心の中にいるのは何だ?」

「それは…………」


「なかなか面白い話をしていますね」


 生徒会室の天井の隅の方から声がした。

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