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第66次インスレイター防衛戦と将の日常ー1 魔王軍の侵攻と烈風先導

新キャラ登場です。

本話から第66次インスレイター防衛戦と将の日常という事でモブ達の泥臭い頑張りと将の無努力のほんわかとした日常を対比的に描いていきたいと思います。

沢山のブックマ、感想等ありがとうございます。

では本編をどうぞ。


インスレイター防衛戦と奪還戦。

人類サイドに立って、人類が防衛するのが防衛戦で人類が攻撃するのが奪還戦である。

魔王サイドでは奪還戦が侵攻戦と呼称が変化する。


人類が攻めに転じてからは通常、防衛戦は発生する事が珍しい。

ただ、例外がある。


そう、それは勇者が戦死した時だ。


それは魔族からしてみれば強大な敵が居ないのだから攻撃のチャンスである事に違いない。

また、人類からしてみればその時期は攻められることは明白なので兵士を増員している。


そして今回も勇者戦死の報を受け、魔王は軍を動かしたのだ。

その標的となったのは第54次インスレイター奪還戦により解放されたユミルである。


王命でユミルに赴いていた、王国騎士団の第3師団『烈風先導』(れっぷうせんどう)は戦闘準備を着々と進めていた。


その中で涼しげな顔で一人。金色の長い髪を後ろで無造作に束ねたその男は一見だけでは女に見えてしまうぐらい線が細い。だが、そのいでたちとは裏腹にその瞳には貫禄が感じられる。

城壁に登り、遠く彼方を眺めていたその男は表情を一切変えず、兵士に指示を出していた。


「おい、早くしろよーお前ら、北方の雲行きが怪しい。勇者様が到着するまで時間がかかるかもしれないのだ、準備は怠るな」


そう自分は何もせずに命令を出す。

この尊大な態度の青年の名前はシュトローム・リーズライト。

この王国騎士団、第3師団、師団長にして伝説の勇者の末裔である。

こうして勇者の一族は代々、王家の側近として日々を過ごしている。


「大丈夫ですよー隊長殿。我々は常勝無敗を誇る『烈風先導』(れっぷうせんどう)ですよ」


そう、一人鎧を装着しようとしていた男、フィーメ・パルスは軽口を叩いた。


「フィーメ、調子に乗って…死ぬぞ」

「大丈夫っすよ。あ、そうそう。俺、この防衛戦終わったら彼女にプロポーズするんですよ」

「言ってる側から死亡フラグ立てるな‼︎」


それを『烈風先導』(れっぷうせんどう)の一同は笑う。

死亡フラグなど誰も真に受けない。

何故なら彼らは防衛戦を得意とし、第64次インスレイター防衛戦では死者を一人もださずに見事、勝利している。強者にはそれだけの余裕があるという事だ。


「おっと、お喋りはここまでだ。敵が来たぞ」


そうシュトロームは微笑んで見せた。

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