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勇者になれなかった俺は第三勢力として魔王勇者狩りを始めました  作者: 終焉の焔
勇者になれなかった男の初めての異世界生活
8/42

勇者召喚の日ー7 ミルシェアと将と初代勇者と魔王と。

「ミルシェアはなんで奴隷になっちゃたの?」


そのデリカシーの欠片もない将の言葉に奴隷少女ーミルシェアは苦の表情を見せずに答えた。


「お父さんが…ここに大人しく待ってなさいって必ず迎えに来るからって…それで奴隷商に売られちゃったです」


そう微笑んで見せるミルシェアはどこかぎこちない。


「さらっととんでもない事いうな…」


そのように軽くこれまでの経緯を説明しあうとその日は疲れもあり、もう眠りに就いた。




第三勢力登場一ヶ月前。

今日がその丁度一ヶ月前だ。

疲れも取れ布団(生活セットの中に入ってた)から這い出た将はこれまでにないある物を感じた。

人気(ひとけ)である。


この村には昨日の時点で人はいなかった。

それなのに何故…

まさか…魔物!


そう身構えた将はゆっくりと玄関に歩み寄った。

そして玄関のノブに手をかけ開く。


するとそこには何処から湧いたのか人集りがあった。


将は混乱状態に陥った。


昨日まで居なかったのに…

こいつらは何?幽霊?

そんな…馬鹿な……


そう的外れな方に思考を巡らせる。

何故、朝に幽霊が出てくるわけないだろ?出てきても、夜だろ!

と誠にツッコミたいが残念である。


「勇者様だ‼︎」

「ありがとう勇者様‼︎」


そう村人達は口々に将への感謝を述べる。


「何で⁉︎」


そう驚き叫ぶが感謝の渦に飲み込まれる。

困惑したまま固まってしまった将は唖然と事を見つめているだけだ。

そんな中、その渦を二つに割って村の長老らしき者がでてきた。


「これこれ、皆のもの勇者様が困っておられろう」


そう感謝の声に制止がかかり一先ずホッとする将。


「あなたにはゴルゴーンからこの村を救って頂きました。是非とも御礼をしたいのですが如何でしょう?」


『ゴルゴーン』というあまり聞き覚えのない単語に少し記憶を辿る。

その結果、一軒の該当があり、それを空間ウィンドウで表示した。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

称号

石化の魔女達(ゴルゴーン)殺し

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「これの事か?」

「ああ、そうです。貴方は誠の勇者だ‼︎」


そう褒め讃えられるが何が何だか将にはサッパリだ。


因みに解説して置くと将がビビって発動した『天の聖光』(セイクリッド・ライト)によってこの首都オーディンから攻め落とそうと工作にきていた、魔王軍、第8師団の隊長ゴルゴーンが浄化され死んだのだ。

その結果そのゴルゴーンに石化されていた村人は無事に元に戻り今に至る。


将は何かは分からないが褒められたりする事は悪くないといういつもの楽観的価値観のもと考えるのを放棄した。

その結果、褒賞としてこの村の領地を貰ったそうだ。





魔王の城にて。


途轍もなく重厚な雰囲気を醸し出すこの城はまさに魔王の城その物だ。

その中の王殿には一人の少女が鎮座していた。


その少女は兵の報告を聞くと綺麗な顔を歪ませた。


「まさか…リーズライト並みの勇者が出てくるとは…」


そう呟くように言う。

そしてふうーと長い息を吐いた。


そなたの事は忘れんぞ。

リーズライト。そなたは私がただ一人愛した男だ。


そう心の中で再び呟いた。




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

現在のインスレイター所持数。

人類 39.9

魔族 40

将 0.1



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