勇者召喚の日ー6 ギャング討伐と奴隷少女
新ヒロイン登場!
その集落には絶対に必要なあるものがなかった。
井戸もある、住宅も無傷だ、なのに人の姿だけがない。
生活の中である日突然、人だけが消えた様なそんな異様な雰囲気を持っていた。
歩いても歩いても人灯は見えない。
そんな異様な村にノミの心臓しかない将が放り込まれたらどうか?
勿論、恐怖に怯えるしかない。
「なんなんだよ…この町…」
そうふと足を止めると将は、魔法のウィンドウを開いた。
「なんかないのか…幽霊を殺せる様な魔法…」
恐怖丸出しな言動に空間ウィンドウが将の前に表示された。
「なんだ、あるんじゃないか…」
そう表示された文字を追う。
ー 『天の聖光』を発動しますか?ー
「勿論だとも」
そう頷くと町一帯に天からの光が注がれた。
その光は数十秒で昼間並みの明るさにに達するとじきに終息した。
「これで大丈夫なはずだ」
と自信満々に言ってのける将。
因みに『天の聖光』はこの世界の事実的な最上位魔法である特位魔法である。
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LEVEL UP
LEVEL 99 →297
HP 99999 →99999
攻撃力 99999 →99999
防御力 99999 →99999
魔法攻撃力 99999 →99999
魔法防御力 99999 →99999
MP 99999 →99999
*カンスト限界突破の為表示ステータスは本来と異なります。
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スキル
経験値増加 LEVEL99 戦闘による経験値を100倍される。
HP・MP自動回復 LEVEL99 1分毎に HP・MPを10000自動回復。
運動音痴 LEVEL99 肉弾攻撃はすべて無力。
天才 LEVEL99 魔法攻撃、防御力は常時100倍される。
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称号(NEW!)
石化の魔女達殺し
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ん?またレベルアップか…すぐにレベル上がるな…この世界。
なんか見たことないのもついてる…まあ、いっか。
そうステータスを閉じるとまた再び町を巡りだした。
すると一つの民家に光が灯っているのを発見した。
「ありがたい、あそこに泊めてもらおう」
そう、そこの民家をノックした。
中で何やらごちゃごちゃしていたのが将に聞こえていたが大丈夫だろうとたかをくくっていた。
ぎーと扉が開く。
それに将はよかったと安堵の息を吐いた…が、つけなかった。
さすがに将も銃を向けられて安堵の息をつくほど馬鹿…いや、Mではないだろう。
そう、今、将は銃を向けられている。
将は取り敢えず手を挙げた。
が、銃を突きつけていた男は何故か目をパチクリさせて震えている。
「お、お前…まさか…さっきの…」
そう男が戦々恐々しきった声で言う。
うん?と将は少し考えるが直ぐに思い出した。
「ああ、さっきの危ない人達ですか…よかったら今晩泊めてくれませんか?」
「ああ…あ…兄貴!兄貴!」
そう先ほどのギャング男は家の中に向かって叫んだ。
その声に応えて出てきた大男は将を一瞥すると男に事情を聞いた。
その結果親切にも泊めてくれる事になった。
仲間を殺した奴を泊めるのは少々どうかと思うが…まあ、銃を突きつけられて泊めてくれっていう将を考えればまだマシか…まあ、個人的な見解だが両方阿保だ。
男に連れられ将がリビングに入る。そこには男が五人。
全員、強面な感じだがその表情には戦慄が浮かんでいる。
その中に一人だけ女の子が居た。
赤茶色の長い髪は小動物を連想させ愛護心がくすぐられる。
輪郭の線は細くこれまでどれだけの苦労をしてきたのかその瞳には光が見えない。
年は将より下だろうか見た感じ小学校高学年ぐらいの子供だ。
だが、何故そんな子がこんな大人に囲まれているのか?そんな好奇心にかられ将はその男達に尋ねた。
「この子はなんなんだ?」
「あん?あんたが知る必要はねーよ」
そう男は言うがそれだけで将はそんなことで納得いく様な男ではない。
「いいから答えろ。この子はなんだ?」
その言葉に将はできる限りの威圧を込めた。それに気圧され男は少々言葉を濁しながら答える。
何故、このような男に気圧されるのだろうか?
「奴隷だよ…」
その言葉に怒りを覚えた。
人を売り買いするのは倫理的にどうかというそんな難しい事よりも将はその子がどうなるのかという事に関して憤慨したのだ。酷い目にあう事は火を見るよりも明らかなのだ。
将は人を人が飼うという傲慢に対して憤怒した。ただただ純粋な正義心。
将は単純な男であった。
「開放しろ」
そう率直かつ端的に言い放ったのだ。
「はあ、できるわけねーだろ!」
当たり前の如く男は反論すると同時に男達は一斉に将に銃を向けた。
「お前…次変な事言ったら打つぞ!」
「ああ!何度でも言ってやるさ!開放しろ!」
その将の言葉には今までの将にはなかった真剣味があった。
その言葉に苛立ちが募りに募った男達は一斉に発砲した。
虚しい町に6発の銃声が響き渡る。
その少し後に人が崩れ去る音がリビングに響いた。
倒れたのは将…ではなく発砲した男達。
将の防御力は不明だが、ある一つの確定事項がある。
それは防御力が50000を超えていることだ。
50000を超えたらどうなるかというと、リフレクトが付与される。
リフレクトは敵の攻撃を跳ね返すものである上に銃弾如きにそれは破れない。
その事に知らない将はなにがあったのか目をパチクリさせて男達と自分を見比べている。
だが、その内に生きてるんならいっかという楽観的価値観の元考えるのを放棄した。
将がその少女に近付くとその瞳にはさっきまでなかった光が宿っていた。
そして目尻には涙を浮かべている。
「君の名前は?」
そう将が優しい微笑みを浮かべその子に手を差し伸べた。
「ミルシェア。ミルシェア・リーズライト」
そう女の子は笑顔を浮かべた。
その笑顔はどの様な物よりも価値があり尊ぶべき物だと将に感じさせる程の物だった。
因みにこの子、初代勇者、リーズライトの末裔なのだが将がそれを知るのはまだまだ先の事である。