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邂逅するピリオド  作者: 十口
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1.鈴木という人物

鈴木は前世の記憶があるらしい。

しかも何度も生まれ変わりというものを繰り返してきたらしく、かなり膨大な記憶があるらしい。

さっきから〜らしいって口調をわざと使っているのは、俺もまだあまり信じていないからだ。

だってそうだろ、クラスメイトから『私前世の記憶があるの』なんて言われたら、は?って思うものだろ。

でも何かあいつの発言やら雰囲気やらで、なんとなく納得する部分はあるんだけどな。


そう例えば、あいつの成績とか。

鈴木はかなり身体が弱い。

すぐ頭痛やら熱やらで、休みがちだったり学校来ても保健室に行ったりしている。

だから隣の席の俺にノートとか貸せって言ってくるんだけど。

でも俺はあくまでノートを貸すだけで、教えたりとかはしない。

何故なら鈴木の方が頭良いからだ。

俺の成績が中の上なら、鈴木は上の中。


「本当はトップとか余裕だけど、休みがちの奴がトップってムカつくでしょ。」


だからそのぐらいの点数にしてる、と言われた俺の心境はムカつきどころか殺意が湧きました。

じゃあなんでノート借りるんだって聞いたら、テストに出る範囲の確認と勉強してますよってアピールって返ってきたもんだから、もう俺の心境は言い表さなくてもわかると思う。


そんな奴だけど、なんだかんだで俺は鈴木の事は嫌いじゃなかった。

あいつの話す内容は面白かったし、興味深かった。

貸した歴史のノートに、とある有名な人物の所に矢印で『実はマザコン』だの『馬から降りた時ズボンが裂けた』とか書いて返された事もあったし。

…今考えると大喜利みたいなエピソードで、ちっとも前世を関連されないな。

まぁそんなこんなであいつとは仲良かった訳だ。



ちなみに鈴木とは男女特有の恋愛みたいなものはなかった。

あくまで仲の良い友人だ。

よく一緒にいたから当時は噂になった事もあったけど。

お陰で彼女とか甘酸っぱい経験なんてなかったけども!

…あんまり否定すると実はー?とかなりそうだからここら辺で止めておこう。

それに鈴木から『今失礼な事言ってなかったか?』とか連絡が来そうだからな。

変なところ勘が鋭いんだよ、鈴木って奴はさ。

次回から鈴木と山根のやり取りが始まります。

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