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ホットシュー付けた?  作者: かぐや椿
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技術無しのプロカメラマンに転職していた。

「はーい目線はレンズでーす。」


ストロボが光り反射版に当たり被写体の髪の毛に天使の輪を作った。


「次は微笑む様に口角少し上げてー」


集中力が切れる前に表情を作り美しい写真を撮る。


僕はプロのカメラマンだ。











一眼レフ触ったの今日が初めてなんだけどね。


「9月って夏終わってないんだな。」



本日は誠にありがとうございます。

素晴らしい晴天で普段着ない背広を着た僕は溶けてしまいそうです。


時刻は午後2時30分

面接の時刻まで後30分


慣れない土地だし迷う事を想定して早く来たが失敗だったかもしれない。

このままだと汗だくの汚い姿で面接を受ける羽目になりそうだ。


残暑厳しい9月半ばギラギラした太陽に当てられながら僕は携帯片手に目的地に向かいつつ今日までの事を思い返していた。


大学卒業後ファッションが好きという理由でアパレル会社に就職したが、来店した客を接客して売上を立てる毎日同じ事の繰り返しに飽き一年半で退社。

海外でもフラフラしたいなー。とか働きたくないなー。とか適当な事ばかり考えて無職でいるうちに元々少ない貯金は、さっさと底を尽き一人暮らしを続けるには嫌でも再就職しなければならなくなった。


実家は西日本の右を見れば山。左を見れば海。街に出掛けようと駅に向かえば駅前で猪が捌かれていた。なんて事もあるような超がつくド田舎。

おら、こんなとこ嫌だー。と大学進学で上京。

都心にあるような有名校に高校受験で分数の足し算引き算を覚えた頭じゃ入れる訳もなく、東京の端にある名前さえ書ければ入れるような大学に入学。

大学生活は遊んで遊んで遊んで…適度に恋愛して試験前だけ勉強して。という、よく居る大学生活を送り、就職し、退社し、現在都心にて素敵に迷子になっている。


25分間同じ所をぐるぐる回って僕は迷子になっている事を確信した。


面接まで後5分…


10分前には面接地に着こうと駅に着いたのが2時30分


いくら迷子になるったって駅徒歩5分の場所に25分掛けて着かないとは…


なんて田舎者に厳しい土地なんだ。


もう一度場所を確認しようと携帯を出した瞬間電話が掛かってきた。



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