炊飯器がない
一人暮らしでコンビニやらで弁当を買う。
コメが高くなったと聞くが、コメは買ったことがない。ひょっとしたら人生で数回くらいならあるかもしれないけれどほとんどないと言っていいだろう。
今は炊飯器もない。
様々な情報がSNS等で流れてくるが、コメについては地域差がある。
我が故郷宍粟市は地図等観ていただければわかる通りほとんどの場所が山になっている。
だから全国の平均に近い2haの田というのは金持ちの持つ馬鹿でかい田というイメージで育ってきた。
私の生まれた家は、そのさらに10分1の0.2haだが山と川の隙間のような数少ない平地でコメを作っており、0.2haでも周りの中では上位の大きさであり世間一般の認識とは開きがある。
農協については悪く言う人はいるが、田舎でしかも小さな田んぼばかりたくさんある場所では、農業に関する仕事をする場所というよりいろいろなインフラに近い仕事をする第二の市役所のような場所という印象がありコメを作る作らないにかかわらずないと困る組織で小学校の高学年くらいまで町役場と農協は呼び方が違うだけの同じ施設だとおもっていた。
誤解は誤解だかそういう思いは恐らくコメを作るどの町にもある印象で宍粟市は特に強い町だったがそれも似たような小さな街はたくさんあるだろう。
インフラに近いもので農業関係なくないと困るものだろう。
米のもうけについて、少な目のコメを作る場合、米の買い取り価格には頓着は少なかったように思う。うちの作ってる量は正確には作る量的に兼業農家でさえない量だとは昨今の米の話題でしった。
零細な農家があまり米のもうけに頓着がないというのは世間一般の認識とズレがあるかもしれないがこれは世間一般がイメージ先行になっているせいだろう。
例をだすとうちのように0.2ha程度の田は半日仕事を年数回行う位の規模であり、やる時は面倒くさいが、大掃除面倒くさいや、車を冬用タイヤにするの面倒くさいにちかい。また米の値段が上がっても下がっても、年5万円の差はまずでない。今年のとてもとても高い買い取り価格でも10万程度の差だろう。
年5万円、月4000円それさえ滅多にない変化の幅、安けれは愚痴くらいは言っても文句は言わない位の差である。
逆に広い田になると死活問題になる。
30haは1家族が5〜6人のパートを雇って出来るラインであり、0.2haの150倍の差が出てしまう。
世代収入が500万円減ると生活はかなり影響を受ける。ただ逆に今年のような値段であれば1000万以上収入が増えるだろう。
米騒動で大規模農家 小規模農家と言う言葉を良く聞くようになったが、農家の規模についてはそのラインは何が正解かよくわからない。
これについても先に触れたように私は2haが既に大規模な印象を持っていたが、今はさすがにそれは世間一般とずれすぎてているとしっている。
この話については人々の考えがかなりバラバラだ。
良く語られる生産性で見る場合
10〜50haは生産性に劇的な向上は見られない。ここ2年の値上がり前は時給換算は2000円前後だそうで。中小企業が正社員の人件費3000円程度とされている事を考えると小規模農家という表現が適正に思える。そしてこの層が約半分の米を作っている。
ただ30haの田をやっている人は自分を小規模農家とは思ってはいない。実際広さ的には上位でもある。
米の価格については2年前の値段は5〜50ha程度の広さの田を持つ人には厳しいものだった。安くするために大規模化をという人は多いが単純に広さを広げても10ha〜50haで同じ時間で作れる量はあまり増えない。
それ以上の効率化には高すぎるハードルがある。
恐らくほとんど認識の違いのでない大規模農家として100haにするには数十億必要になるし、またあまり生産性の差がでな10ha〜50haの50ha側小規模という意識はないというより大規模農家という意識だろう。
私もその広さを小規模と言われたらかなり違和感がある。大規模化による生産性の劇的な向上は挑戦自体が難しい。
一つの方法として
昔宍粟市はコシヒカリでなくフクヒカリが主流だった。ある時から品種改良なのか何なのか、コシヒカリを作れるようになった。コシヒカリはフクヒカリの8割位しかとれない。
味はコシヒカリの方が良いとされている。
ただ今と当時は食事情が変化している。
フクヒカリはむしろ今の肉食化した時代にあっているように思う。フクヒカリを作れば同じ時間でとれる量はふえる。
ただフクヒカリを皆が作るとコメは当然あまる。余らせる事は歩留まりが下がるみたいなもの。
誰かが損する。農協が余るからと買わなければ米農家が損するし、卸が余るからと買わなければ農協が損する。余るからスーパーが買わなければ、卸が損する。
スーパーが損したくないと思えば、高値で売るかもしれない。
過剰に作って安く売れというのは誰かを生贄にしているに過ぎない。
そして誰を生贄にするかの押し付け合いになっている。
個人的には25歳から40歳の男性全員と希望者に5日の米作りの手伝い義務化代わりに100キロ分のコメがもらえるみたいな方法が後腐れはないけれど、やはり現実的ではないだろう。




