回想編⑪ 無我夢中の攻防
く、熊、、、
(ちょちょちょい待ったぁぁー!!! 秀が溺れているじゃない! ひゃぁー)
この状況に、咄嗟にあたしの脳裏には『秀を助けなきゃ!』と、言う文字がカットインした。
無我夢中で、水を掻き分け、秀の方に泳ぐ楓だったが、溺れている秀には、暗闇の水中後方から、あのイカつい二本の追っ手が迫って来ていた!
(ぎゃあぁぁー しゅ、秀が殺されちゃう!)
(秀を助けなきゃ、助けなきゃ、助けなきゃぁぁぁぁ、どうしよう、どうしよう!)
あたしの頭はその時、突然、プチンっと言う音と共に、真っ白となり、絶体絶命のこのピンチに、無意識で『氷系』の忍術を、追っ手の熊目掛けて、必死で連呼し続けていた。
「氷柱の術! 氷結の術!かき氷の術!ゴボゴボコボゴボゴボー あぉあぁぁああがっがっが」
わずか10歳のまだまだ幼さ残る楓でであったが、流石はエリートくのいち!と呼ばれし彼女。
既にこの歳で大人顔負けの無数の術を習得していたのだ。
カチカチカチカチ!!!
すると、無我夢中で放ち続けた氷術が、楓達と熊との間に、長く大きな氷壁として立ち塞がったのだった!
(はぁはぁはぁ、や、やったわ!)
その隙に楓は、溺れていた秀を、その小柄な身体で抱き抱えて、向かい岸まで泳いだ。
岸辺に着いたと同時に、急いで彼を下ろして背中をさする。
飲み込んだ水を吐き出させる為だ。
「ゲボゲボゲホゲホ、、、」
やはり、大量の水を飲み込んでしまっていたのか?
秀は、膝まづきながら、大量の水を吐き出した。
「秀! 大丈夫?」
背中をさすりながら、楓が問いかける。
なかなか言葉が、直ぐに発せなかった秀だったが、徐々にその症状は和らいでいき、
「ゲホゲホ、た、助かったぜ、楓!それにしても、なんだったんだよーあの巨大な熊は! あんなの聞いてないぞー ゲホゲホ」
自分達を一撃で、あの世行きにしてしまいそうな位に、イカつい爪の持ち主であった黒い熊に、思い出しただけでも震えが止まらない二人だった。
しかも、楓はなぜか腑に落ちなかった、、、
(さっきの攻撃には、手応えは無かったわ、、、
お、 お願いだから、こっちに来ないで!)
しかし、そんな心配も虚しく、、、
次の瞬間、あたしの不安は的中した!
「バーン!バーン! バリバリバリバリー」
突如、楓達と熊との間に張っていた氷壁に亀裂が生じだした!
「ひゃぁぁー やっぱり~駄目だったよね!秀ぅーまた、逃げるわよぉぉ!」
「うへ~ あ、あんなのどうやって倒したらいいんだよぉぉー 誰か助けてくれーーー」
その凶暴な熊の追跡に、再び、悲鳴を上げて逃げ始める『餌』と認識されてしまった二人だったのだ。
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