第25回
この物語は、フィクションです。登場する団体や個人は、実在しません。
また、登場する団体や個人は、実在の物と関係ありません。
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闇探偵 西園寺 美園(25) 相良 凌
2 美園 初の闇探偵業(24)
始末屋のリーダー格の男性が、電話ボックスに走る。
☆
吟勇会の組事務所の電話が鳴った。若頭が受話器を取る。
「もしもし!」
始末屋のリーダー格の男性が、
「例の、片を付けて欲しい件なんですが・・・受け渡しに失敗しました・・・そちらでもご確認下さい・・・切れた紐らしきものが、受け渡し場所に、ありました」
「わかった。今すぐ確認する」
と、言って、若頭は、受話器を置いて、また受話器を取り、ダイヤルすると、電話口から吟勇会の現場責任者の声が聞こえる。
「もしもし、若頭! どう、なさったんですか?」
「受け渡しに失敗したと、先方から連絡があった!」
「その件でしたら、先方の言った通り、ちゃんとやりました。完璧に。まさか、逃げたんじゃ?」
「君の報告が、正しければ、恐らく逃げた・・・先方は、切れた、紐のような物が有ったと言ってた・・・」
「分かりました・・・。申し訳御座いません・・・」
との、返事に、落胆の色を隠せない若頭。受話器を置いた彼は、
『どうやって、大政建設の社長に、申し開きをすればいいんだ・・・』
と、苦悩した。
☆
都内に向け、走行中の紗些平と名乗る女性の車で、西園寺は、
「依頼主の三田沢さんを呼んでもいいですか?」
と、紗些平と名乗る女性に聞いた。
紗些平と名乗る女性が、答える。
「いいけど、この近くに公衆電話ある?」
「前の探偵事務所の近くに、有ったはずです」
「あなたが助手をしてた頃の事務所ね? 今は、藤嶋探偵事務所の支部になってるけど・・・」
都内に入ると、藤島探偵事務所の支部が入っている、ビルの前に着いた。そのビルは、イチョウ並木の駅前の通りに面している。
街灯が疎らな、駅前の通り。そこに並ぶイチョウ並木の小枝は、闇の中で静かに風に吹かれて揺れていた。
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探偵の助手時代の西園寺美園も登場する、より、スケールの大きい、相良 凌 作品 特命探偵シリーズをよろしくお願いします。(下の〔【VictoryProjectWin☆特命探偵シリーズ☆】〕のリンクからアクセス出来ます)