65話:報酬
古代白金貨により、一人当たり50万シルバーの臨時収入が入る事となったが、まずオークションにかけられるので、配当は後日ということになった。
まずひかりたちの元々の依頼である、スケルトンナイトの討伐と、行方不明者の救助の報酬について。
これは、森のスケルトンナイトがすでに討伐されていたということで、1万シルバーの報酬はなし。
行方不明者を一人救助、二人は死亡していたが冒険者証を回収できたので、3000シルバーの報酬は貰えた。
これはテティスは受注していなかったので、イスト、シーリー、ひかりの3人で分けて、一人1000シルバーの報酬となった。
だが、代わりに、新しいダンジョンの情報を報告できた。
古代人の作ったダンジョンは、冒険者達に取って一攫千金のチャンス。新しいダンジョンの情報料金として、ギルドから1万シルバーの臨時報酬が支払われた。
これはテティスらとも分け合い、一人当たり2500シルバーの収入となった。
こうしてひかりは、3500シルバーの即金と、後日50万シルバー相当のオークション報酬を受け取れる算段となった。
あまりの高額収入に、ひかりは実感がわかなかった。
新しいダンジョンが発見されたとのことで、ダンジョン目当ての冒険者が続々と集まり、街も活気付いてきた。
貧乏に悩まされていたこの領にとっては、まさに実りのある一件だった。
「あ、ダンジョンは私もソロ攻略してきますので、悪しからず」
テティスはそう言って、新しいダンジョンに一人で篭りに行った。
1級冒険者はフットワークも軽いらしい。
そして、ひかりのものとなった神器。
その性能は、まさに神器と呼ぶのに相応しい性能をしていた。
神器
【忍刀「首切蝶々」】
この刀の所持者は、跳躍能力が飛躍的に向上する
また1回まで空中でもジャンプが可能になる
この刀の切れ味は、所持者の敏捷に比例して向上する
(所持者:ヒカリ=カゲハラ、変更は不可)
まず跳躍能力が飛躍的に向上する効果。これはひかりがジャンプするだけで、街の一階建の建物であれば簡単に登れてしまうほどのジャンプ力を得た。
さらに1回まで空中ジャンプができる効果により、いわゆる二段ジャンプが可能になり、二階建ての建物にも軽々登れてしまった。
これにより、街中を縦横無尽に駆け回れるし、背の高いモンスターの相手もできそうであった。
切れ味に関しては、完全不意打ちの【アサシンダガー】よりはやや劣るようだったが、逆に見つかってしまっても無制限に高い切れ味を持っているので、色々と役に立ちそうであった。
そんな神器を手にしてしまい、ひかりはますます強くなった。
……。
……。
「かんぱーい!」
ノースブランチ、酒場の一角。
イスト、シーリーに、ひかりの3名が、豪華な食事を囲んで乾杯をした。
イストがエール、シーリーが林檎酒、ひかりは果物のジュースのグラスを持っている。
「いやー、儲かった儲かった」
「あんな大金、持った事ないよねー、何に使おう」
今回の席は、イストに誘われて、3人で飲み食いしながらだべろうという趣旨で行われた。
いわゆる、高い臨時収入を祝った、飲み会だ。
ひかりはそういう飲み会にあまり積極的ではなかったが、この二人なら大丈夫そうだと思って話に乗った。
「ほんとに50万シルバーになるなら、一軒家も買えるよな。ま、俺は装備やマジックアイテムを揃えたいな。目指せ1級冒険者だぜ」
「自分の家か〜。憧れるけど、今のところあたしたち、ノースブランチとサウスブランチを行ったり来たりだから、宿暮らしで良さそう〜」
二人はそんな話をしていた。
ひかりには縁遠い話だったので、ちびちびとジュースを飲んでいた。
自分の家。
確かに欲しいが、ちょっと今は手が出せそうにない。
1級冒険者を目指す予定もないし、神器とマジックアイテムはやたら貰ってしまっている。
「ヒカリちゃんは何に使うの〜?」
「あ、わたしは何に使うかは決めてまして……」
「おお、どんな?」
酒のアテに話は盛り上がり、夜はますます更けていく。




