幻想世界からおいでませ コカトリス編
わたしはコカトリス!
大地の化身、蛇の尾を持った鶏など言われていたが、なぜか今、ふつうのニワトリである。
ここはヒトがニワトリたちを平地飼いし、タマゴを奪っていくという場所のようだ。
わたしの子供を奪うとは。
この身体がニワトリでなければ……!!
しかし、この群の頂点に立つオンドリとしては…… かつてのコカトリスだった記憶はともかく、リーダーとしてやらねばならないことがある。
それは、朝、一番最初の遠鳴きをするということだ!
この仕事は、グループの格付けでもある。
そしてこの仕事を終えたらもう一つの仕事だ。
朝から昼にかけて、すべての妻たちから生まれた子供をチェックする。
これは、偶発的にコカトリスとしての子供が生まれてはこないだろうか、という希望をかけての…… 魂から起きる衝動のようなモノだ。
まだ見ぬ我が子よ…… コカトリスとして、大地に君臨するのだ。
……アレ、どこまで確認したっけ。
というか、何を確認してたんだっけ?
コッコッコッ…… モロコシうめー。
☆
「トリ坊、まぁたタマゴを守ろうと見回りしてらあ」
「ええんでない、あの子のおかげで、キズモノタマゴが減ったべさ」
「んだなぁ、ええパパドリやぁ」
今日も養鶏場は平和です。
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