突き指の季節
突き指をした。
こんな季節だから、仕方ない。
冬になると、急に動きが鈍くなる。
そして、力の加減が分からなくなる。
ついでに、感覚もよく分からなくなる。
距離感も、つかめなくなってくる。
「大丈夫ですか?」
若い人が、かけ寄ってきてくれた。
「大丈夫です」
本当に、やさしい人が多いもんだ。
「とりあえず、冷やしましょう。家に上がってください」
いつも、こうなる。
新聞勧誘に来る⇒
インターホンで突き指する⇒
家に入れてもらう⇒
指を冷やさせてもらう⇒
同情で新聞の契約をしてもらう
これが、いつもの流れだ。
狙ってなどいない。
ただ考えすぎて、緊張しすぎて、こうなる。
冬だけだから、冬に気を付ければいい。
でも、気を付けていても、いつも突き指してしまう。
冬は、なぜかいつもフラれる。
だから、その悔しさから、指先に力が入ってしまっている、というのもある。
それが、突き指に繋がっている、ということもあるだろう。