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『錬金979話　牧草地を見学する』

「荒れ地に植林ができるとは思えないが」

「錬金術で植林も可能にしてくれたの」

「錬金術で、錬金術で、錬金術は何でも万能かよ」

「それが万能なのよ。領地に作ったのは全部錬金術ですから。ご主人様の錬金術に作れないものはない」

「あるだろ！　何でも作れるて神だぞ」

「そうです、ご主人様は神です。神の力を持った人族」

「そんな人族はいません！　国王よりも偉くなる。それは絶対に認められない」

「私の中では、すでにコメ神様ですが」

「カエンはね。コメが好きなのよ。だからご主人様はカエンにとって神様なの」

「勝手に言ってなさい。私にはヤニス国王が一番です」

「やれやれ、俺は神様じゃないよ」

　話がずれて俺が神様とか言い出すので恥ずかしい。

　それをルーリンが否定するともっと恥ずかしい。

　もうこの話題は止めよう。

　牧草地に到着したし。

　リザドがいて牛の世話をしていたところだつた。

　ちょうどいい。

「ここが町の自慢の牧草地だ。リザードマン族が多くの牛を飼育している」

「どうも町長、今日は大勢で来てますが、珍しい」

「うん、見学者がいるんだ。牛を見たい」

「呼んできます」

　牛が集まって来た。

　子牛が多いな。

　いつもはもっと大きいのがいるけど。

「子牛が多い」

「この前の大食いバトルで牛肉を大量に食べたでしょう。あれで牛が減ってしまった。今は育成しているところです。でも安心してください。減っても直ぐに生まれてくるし、何日か経つと大人の牛に成長しますので」

「食べたの私です」

「モフルンが一番最後まで残ったしな」

「あれだけ食べても体型は変わったでしょう」

「少し太った、食べ過ぎたので。今は食べる量を減らした」

「そうだな。育成をよろしく」

　大食いバトルでハンバーグがあった。

　それで牛が減ったのか。

　まあ、200人分はあったからな。

　そりゃ減りますね。

　でもこの牧草地は直ぐに子牛が生まれるので大丈夫なのだ。

「牧草地の牛までいるのかよ、荒れ地だったはずだが」

「荒れ地に雑草を錬金術で生えさせている。この草を食べると肉質もいい。それにどんどんと子牛も生む」

「どんどん？」

「衝撃としかいいようがない。牛が育つなら、もう荒れ地とは言えない。王都に報告だ」

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