『錬金097話 リアの秘密』
『錬金097話 リアの秘密』
無理にでも連れて返ろうとする女王様。
凄い威厳があるな。
まさに女王て感じするし、俺なんか完全に平民て思った。
リアに役割について詳しく教えて欲しいな。
「リア、女王様の言う、役割て何なのかな?」
「役割はまだフランツやスイ、モフルンには話してなかったわね。実は私は木の精霊ドリアード族の姫。そして木の精霊ドリアード族は、ある能力が隠されているの」
「能力?」
「どんなの?」
「精霊ドリアード族を嫁にすると、その一族に膨大な魔力量を増やせる能力。魔力増大付与の恩恵がある。そのため、魔族と人族は古くから精霊ドリアード族を嫁にする風習があった。魔族が嫁にすると、人族は危機に陥ったと歴史にある」
「聞いたことはあります」
「スイは聞いたことあるんだ」
「はい。精霊族には不思議な力があり、魔族や人族から狙われていると。それを嫌うあまり、あまり見なくなったとも。魔竜だから、色々とみみに入るのもある」
スイは聞いたことがあったみたいだ。
魔竜の耳にも入ったと。
「魔竜の耳にも入っていたのは知りませんでした。でも話はスイの言った通りで、本当です。人族と魔族はいつも争いをしている。これは過去の歴史からわかる。その中でも精霊ドリアード族は利用されてきた。利用されるのを嫌い、いつしかドリアード族は人の知らない辺境の土地に移住してきた」
「移住したのが、俺の領地の近くの山だったわけか」
「そうです。偶然ですが」
偶然にもリア達のドリアード族は、俺の領地の付近にある山だったみたいだ。
まあ、あそこなら誰も来ないよな。
フェンリルだって近くには行かなかったと言っていたし。
そうなると魔族と人族は今もリアたち精霊を探しているわけか。
女王の母親が連れて帰りたいと言うのもわかった気がする。
たぶん心配なのだ。
娘が魔族か人族に見つかったと思ったら、探すのは当然だよ。
母親ならみんなそう思うものだ。
「娘のリアが話した通りです。ドリアード族は、結婚すると、相手の一族はみんな魔力が増大するの。それは昔からあって、まだその風習は残っている。魔族なんかは、ドリアード族を今も探しているしね。でもここの土地は誰も寄り付かない土地。魔族もほぼいない。少しはいるけど、無視していいレベルで、我々は山に隠れていた。隠れていれば安全だった。だからリアは連れて帰ります。それと気になった点もある」
女王が不思議に思った点があったと。
リアへの気持ちは変わらないようで、困ったな。
「面白かった!」と思ったら下にある
【☆☆☆☆☆】から、作品への応援お願いします!
【★★★★★】をしてもらえるとがんばれます!




