『錬金965話 王都で音楽フェスを聞く』
『錬金965話 王都で音楽フェスを聞く』
ラッパがなる。
吹いているのは若い男性の人族だ。
子供が喜んでいる。
ドラムを叩くのは、男性の獣人族。
力強く叩きまくるのは軽快だ。
リズム感がいい。
俺も楽しくなるし、スイは初めて聞いたようだ。
歌いだすのは女性の獣人族で猫人だろう。
綺麗な歌声で観衆を魅了する。
観衆は大喜びだった。
しばらく聞いていた。
演奏が終わり休憩になる。
「楽しかった、王都はいろんな物がある。辺境の町にも音楽フェスができますよね」
「町にも? どうかな、演奏したいのかスイは。歌いたいとか」
「ええ、楽器も楽しそう。やってみたいので楽器が必要です」
「あははは、そうか、考えておくよ。楽器はないから買うようだな」
スイは今の音楽フェスを聞いて影響を受けたらしい。
自分でもやってみたいと積極的に言う。
良いことだな。
自分からこうしたい、あれをしたいと言うのは、町の発展にも繋がる。
町が面白くなる。
「フランツ町長の錬金術で作るのはどうです。スパルネの道具も錬金術で作ったと聞きましたし、楽器も作れるのでは」
「そうですよ、楽器も作れますよ。ミスリル製の楽器を」
「錬金術で楽器か。考えたことなかった。不可能ではないかな。でも楽器に詳しくないから、詳しい人に聞くようだ」
ミスリルで楽器が作れるのかな。
俺は作ったことないし、そもそも楽器に詳しくない。
音が出ないとかじゃ意味ないものな。
まだ音楽フェスは続くようだが、俺たちは移動した。
スイは十分に王都を楽しめたらしいから町に帰ろう。
王都から町に帰る馬車に乗る。
馬車は来た時の馬車で、俺が先導する。
帰ったらコーヒーの農地も検討したい。
農地はたっぷりとあるので心配はない。
それとまだ作っていないのもあった。
ブドウはまだ試していなかったかな。
次はブドウも試そう。
また忙しくなってぞ俺。
「スイに聞きたいのですがいいですか?」
「どうぞマーヤ」
帰りの馬車内でマーヤがスイに聞いた。
「スイは麵を食べていたタップと騎士団団長ルーリンを飛ばした。二人はどこに行ったのでしょう。王都の近くに落ちたのですかな」
「さあ? 私もどこに言ったかは知らないけど、もっと遠いはず。でも町の人は巻き込まないように気を付けたから、飛んだのは二人だけです」
「もっと遠い、あははははは」
「あははは、ざまあです。あの二人には、ちょうどいい罰ですよ。そのうちどこかで落ちるから心配ない」
スイは楽観的だった。
確かにどこに行ったかは不明なままだ。
スイ本人も把握してないという。
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