『錬金962話 勇者視点 谷から脱出する』
『錬金962話 勇者視点 谷から脱出する』
ぐるぐる回転しながら移動した。
回転しているから、どこだかわからない。
目が回る!
しばらくして回転は止まった。
こんなのを作るのが人なのか!
フランツの村の魔竜じゃねえか。
魔竜なら不思議はない。
「止まったぞ」
「みんな、大丈夫かい?」
「俺は大丈夫だけど、目が回るよ」
「だれだ今度は、誰が飛んできたのだ、クククク」
見ると女が倒れていた。
女は起き上がると俺と目が合う。
「グラティアスだ!」
「ルーリン、クククク」
まさかの団長ルーリン。
ギルトマスターに続いて騎士団団長を飛ばしたのか。
狂ってるだろ。
それに王都でなにがあったのだ。
「グラティアスとぶつかったのか、タップじゃないか! お前も魔竜に飛ばされたとは聞いたが、ぶつかるとはな」
「なに!! あの女は、メイド服の女は魔竜だったのかよ!」
「そうよ、私はフランツを追いかけていていた。メイド服の女は尾行させていた。そしたら尾行班からの報告では、女が男を竜巻でぶっ飛ばしたと聞いた」
「それが俺だ。間違いない。いきなりだった。そしてそのまま飛んできてグラティアスがいて衝突したら、そこで止まった」
「じゃあ私もそれで止まったのか。偶然にも」
「ルーリンも魔竜にかよ、クククク」
「ルーリンて誰ですか、またグラティアスの知り合いですか」
「私を知らんのか。私はターバンド国の騎士団団長ルーリンだ。知らないとは言わせないぞ」
「騎士団団長ルーリン、知らないです」
「知らんのか!」
「私らはターバンド国ではないので。ジャカラン国の冒険者だ」
タップに話したのをルーリンにも説明する。
ルーリンは覇者の剣に驚いた。
たっぷと同じで、国も覇者の剣は探しているからだ。
「神級の剣か、これが。初めて見た」
「神殿にあった。フランツとは谷の下で激闘した。そして俺が覇者の剣を取ると、フランツらは逃げたのだ。俺を恐れてなあああああ~~~あっははは、クククククククク」
「なんかグラティアスさ、変じゃない?」
「変?」
俺が変だと?
「まあ、いいか」
ここは辺境の谷ではなかった。
でも谷を出れたので、助かった。
あとは国に帰る。
帰るのはターバンド国ではない。
ジャカラン国だ。
馬車は谷に来た時の馬車が置いてある。
それを探せばいい。
徒歩では帰れない。
タップとルーリンと会うとは思わなかった。
だが気になるのは、フランツは谷で逃げた。
その後に王都に行った。
目的は何だったのか。
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