『錬金933話 勇者視点 谷で迷って帰れない』
『錬金933話 勇者視点 谷で迷って帰れない』
迷った俺たちは立ち止まった。
「勇者、勇者なら道はわかるでしょ!」
「関係ない! クククククククク」
「なんで、勇者でしょ」
「勇者を都合よく使うな! クククク」
「なんだよ勇者なのに」
道に迷ったのを俺のせいにしてきた。
アホか。
何でも勇者に頼るなっての。
それから歩いても歩いても、迷った。
谷の上には到達出来ないのだ。
嘘だろ!
フランツはどうやって帰ったのだ。
あいつの後を追えば良かったか。
もう何時間歩いているか。
このままだと夜になるし、寝て過ごすようだ。
最悪だ。
このまま谷にいるのは最悪だ。
「グラティアス、ここで夜を過ごす。もう暗いから危ない」
「暗くて見えないからな。寝るしかない。クククク」
「なああ、このまま谷から一生出れないとかないよな」
「あるわけない。出られるだろ、いつかは」
言ってる俺も自信はない。
「最悪~~~」
ミーシャが愚痴を言う。
「俺に言うな」
「餓死したくない」
「俺だって同じだ」
しかし次の日の朝になり歩くも、なぜか谷のてっぺんに到達できない。
なぜだか知らないが、下に降りたりしている。
どうしてもたどり着くことが出来ない。
下に降りて行ったら、最初の谷の底に着いた。
マジか!
「まさか、底に来ちゃった」
「ダメだあああああ~~~」
「このまま餓死する、腹が減ったよおおおおお~~~~」
「何も食うものがねえええええ!」
仲間の中でおかしくなる。
食料は持ってきていなかった。
当然だ、谷で暮らすとは思いもしなかったから。
空腹で、仲間は文句をいう。
俺も空腹だ。
勇者の俺が空腹にならなければならないのだ。
クソ~~~~~~~~。
フランツの奴~~~~~。
全部あいつだ!
「フランツが悪い」
「フランツが??」
「そうだ、フランツが来る予定はなかっただろ。でも来た。フランツが来て魔王が来て、フェンリル族の女王が連れ去られた。フランツが来てなければ、女王はまだここにいたのだ。女王がいれば、谷から脱出できたんだ。そう思うだろ、全部フランツだあああああ~~~~~~~!」
俺は空腹を我慢出来ずに全部フランツが悪いと絶叫した。
本当に死ぬのか俺?
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