『錬金091話 勇者グラティアス視点』
『錬金091話 勇者グラティアス視点』
「はい、とても勉強になりました。でも、不満というか、疑問もあります」
マズイな、こいつ、俺が失態したのを言い出しかねないぞ。
それよりも話を別の方向にしよう。
そうすればいい。
やっぱり俺は天才だな。
「ダレンムルよ、今は俺のことはいい。それよりもケンタウロスを倒せ。それがキミたちにとって今回の依頼の重大な仕事だぞ。ベヒーモスはミーシャに任せなさい」
「はい、そうですよね。ケンタウロスを倒すのに集中します!」
「よろしい」
ダレンムルはケンタウロスの戦いに参戦していった。
単純な奴だが、能力は高いのは俺も認めている。
「よし、みんなもう少しだ、ケンタウロスを倒せえええええ!」
「やるぞ!!!!」
「ケンタウロスなど怖くないぞ!!!」
稲妻と鬼龍の団による総攻撃が開始。
人数でも圧倒する数がいる。
ケンタウロスを囲い込み、剣術で切っていた。
やっぱり切れるよな?
なんで俺だけあまり切れないのだろ。
ケンタウロスは応戦するものの、数で勝る冒険者が有利になる。
Aランク級の魔物ケンタウロスを激戦の末に討伐しそうだな。
まあ、あれだけの人数で囲めば、勝つ確率は高いだろうが。
「やったああああー」
「ケンタウロスを討伐したぞおおおお!!」
熱狂の声だった。
当然か、Aランクは討伐するのは難しいからな。
経験なければ熱狂もする。
残りはミーシャか。
ミーシャはベヒーモスを追っていたが。
「ああっ、ミーシャが帰ってきたぞ!」
「ベヒーモスは追い返した。かなり傷は負わせた。あの傷なら少しは王都から離れて休むだろう」
さすがにミーシャだな。
ベヒーモスを一人で追い払ったみたいだ。
これはBランク冒険者には無理な芸だ。
ギルドマスターからの依頼では、王都を守れていっていたから、とりあえずの依頼は達成でいいよな。
「ミーシャ、ご苦労さまだ」
「ちょっと疲れたけど。大きな犠牲者があなた一人だったから、いいんじやない。稲妻と鬼龍のケガ人はフィーネルが回復させた。最悪なのはグラティアスよ。あなたは最悪です。何もしてないし、むしろ足を引っ張る失態」
「黙れミーシャ。俺に文句は言うな」
「文句は言わないでおく。でも稲妻とかが見ていたのよ。どう思うかしらね。あんな酷い戦い方して、勇者をどう思うかしらね」
「…………うるせえよ」
ミーシャからは忠告のように言われ、ケンタウロスから素材と魔石を回収して帰った。
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