『錬金907話 モフルンは喜ぶ』
『錬金907話 モフルンは喜ぶ』
30個あったホーリー薬は全部なくなった。
あっという間だった。
「町長、凄い人気ですね」
一緒に運んだサザンが驚く。
「こんなに人気だとは俺も想像できなかった。いっても薬だから、薬を飲みたいと思わないよな。それがみんなから効いたという声だ。マニクリエに見せたかった」
「ええ、嬉しい誤算です。マニクリエには俺が迷宮に戻るときにでも言っておきますよ。きっと喜ぶでしょう」
サザンからホーリーウィッチ族に報告してくれるそうだ。
きっと喜ぶと思う。
体力のあるフェンリル族だから良かった。
人族なら死んでいる傷を受けた人もいた。
大けがだ。
見たところ、全員のケガは治癒されたっぽい。
笑顔が溢れていることからわかる。
「モフルンが見たら喜ぶよ女王」
「あの子に、心配されるのは早い。まだ私は女王だ。この程度の傷でくたばることはない」
「さすが女王です」
「フェンリル族が負けないのは、いつかジャカラン国にもわからせてやる」
「おおおおお~~~~」
「おおおおお~~~~、俺たちは負けないぜ!」
「これからジャカラン国に攻め入ってやろうぜ、女王!」
「フェンリル族の恐ろしさを!」
ホーリー薬を飲んだことで、フェンリル族の人は元気になった。
だが元気になりすぎている気もする。
「町長、ヤバいですよ。回復させて失敗ですよ。ホーリー薬は興奮する成分とか入ってませんかね、、、」
「飲みすぎも良くないのかな」
フェンリル族の人が元気になってくれた。
女王からも感謝された。
それから町の様子を歩いて散歩した。
サザンとは別れた。
町は村から昇格したとはいえ、特別変わってはいないです。
当然ですけど、急に変わるわけないですし、俺の意識も変化はないかな。
変わったのは俺の呼び名が村長から町長になったくらいだ。
散歩を終えて家に帰った。
スイやモフルンもいた。
モフルンにはホーリー薬のことを言う。
「迷宮のホーリーウィッチ族でホーリー薬を作っていて完成した。ホーリー薬という回復薬だ」
「ホーリー薬ですか。回復薬は在庫はなくなったから、ちょうどいいです」
「そうだろ、女王のところに持って行った。そしたら女王と他のフェンリル族も、グイグイとホーリー薬を飲んだよ。そしたら元気になった。傷がまだ癒えてなかった。それが完治して回復できた」
「あら、良かったわねモフルン」
「母さんが復活したなら安心です」
「私も飲みたいです、そのホーリー薬を、ねえちょうだい?」
「リアは元気だから飲む必要はないでしょ。私が飲みたいの。だって家を作るときにいっぱい働いたもん。疲れているもん。ちょうだい!」
「カエンはいいのよ。私よ。木材をいっぱい切ったのだから!」
「リアよりも働いたもん!」
「こらこら、今度持ってくるよ。でも体力が余程減った時だぞ」
カエンとリアでホーリー薬を欲しがる争いに。
全部無くて良かったと思う。
万が一、一本あったら争いになっていたかもな。
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