『錬金849話 勇者視点 魔王と遭遇する』
『錬金849話 勇者視点 魔王と遭遇する』
馬車は再び走った。
ジャカラン国に魔王アサマノキングがいるので、うかうかしてられない事情もある。
ファイアドラゴンが居ないと知られたら、王都に魔王軍が攻めるのは明白だ。
三賢者は急ぎたいのだろう、馬車の速度が早い。
東の大陸を抜け、西の大陸に入ったようだ。
ここからは辺境の領地に方角をとる。
町で休憩を取る。
宿屋に宿泊だ。
宿でグラーが俺に詳細を聞いてきた。
「グラティアス、西の大陸に入った。最初に確認したい。疑っているわけではないが、西の大陸に俺たち三賢者らを拘束するための軍がないか、はっきりさせてくれ。つまりはここは異国、異国である限り、俺たちを潰す気があるかだ」
「ないよ。俺はお前らが西の大陸に来た時に罠をしかけることはしない。性格的にそういうの嫌いなのだ」
グラーは疑ってきた。
西の大陸にはいり、彼らには異国である。
ターバンド国の軍隊が隠れていないかを確認してきた。
俺にその気はない。
そもそも俺は国王には黙っている。
この件は国王は知らない。
軍が来るはずもない。
だが警戒するのは理解できる。
俺もジャカラン国に入るときは警戒したからな。
「ここからは我々よりもグラティアスが詳しい。辺境の領地に進む。グラティアスの馬車が先頭になれ」
「そうする。フランツの辺境の領地には接近しない。うかいして周辺に到達しよう。辺境の領地の周辺には何があるか俺も国も把握していない。あまりにも荒れ地で使えない領地なので、国も調査もしてこなかったのだ」
「ほぼ人族が足を入れてない領地なのだな」
「未開だな。神殿を発見して覇者の剣を持って帰る。俺は協力する」
「協力を頼む。魔王アサマノキングが国にはいる。あれが王都にいつ来るかだ。その前に覇者の剣を持って早く帰りたい」
「魔王は三賢者が王都に居ないのを知っているからな」
俺を利用しているかは見えなかった。
俺ら勇者パーティーを使い捨てるのはあり得る。
グラーは隠しているか探ったが、見せないのか、その気がないのか。
俺は騙されないぜ。
俺は勇者だぜ、お前らには騙されないぜ。
グラーは去った。
この町から辺境の領地付近までは、相当な距離はある。
翌朝には辺境の領地へと出発だ。
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