『錬金081話 精霊と和解』
「ご主人様が強いとわかればいいのです。でもね、精霊ドリアードが住む山に勝手に入ったのは、私もうかつでした。確かに私のフェンリル一族は、辺境の地で生きるのが風習でした。ここにいたなら、人族も魔族も竜族もきません。誰も来ないですので、ひっそりしてます。しかし一族からは、近くに伝説の精霊がいるとは聞いてました。過去に精霊と出会い、お互いにナワバリを越境しないように話し合ったとも聞きました。山に行った際に、異様な魔力を感じましたのをご主人様には言ってませんでしたのは、私の失態でした。山に行きキノコやコショウを勝手に取ったのですから」
「そこは俺も反省する。山は誰のものでもないなと思い込んでいた。精霊族がいて、山はナワバリだったと知り、もう入らないようにするよ」
コショウやキノコは貴重であり、重宝していたけど、精霊族の物を勝手に取るわけにはいかないよ。
俺だって農地にある作物を取られたら、嫌な思いをするもんな。
その点は大いに反省の点はある。
今後、自分に言い聞かせたい。
「残念だなあ〜〜〜、私はフランツ様の作る料理が好きだったなにな。キノコのご飯に、肉をコショウで味付けしたの。もう食べれないのか……」
「スイはお気に入りしてたもんね、私もだけど」
スイとモフルンは俺の料理を覚えていて、もう二度と食べれないと悲しんでいる。
俺も作りたいが、ソ簡単には作れないかもな。
残念ではあるけど、また別の料理を作ればいいかな。
料理は一つではないしね。
「料理ですか、それってフランツが作るの?」
「そうよ、フランツ様の料理は絶品なのよ。そうだ!! リアも食べたらどうかな、家によってもらい、食べたら、きっと私の言ってるのが伝わる」
「そうそう! あれは食べてみないとわからないですよ!」
「でも、迷惑ではないの、私が食べるのは?」
スイとモフルンから勧められるのは俺の料理だった。
迷惑?
とんでもないよ、精霊族が食べてくれるなら、俺は作るさ!
食材のキノコもまだあるし、ちょうどお腹も空いたしな。
リアにはぜひとも食べて欲しいのが俺の感想だ。
「何を言うのだよ、迷惑なんてないない、俺は大歓迎さ。まだキノコとコショウとか肉もある。家に上がり、食べていきなよ。俺も食材を盗んだのもあるからさ、食べてくれたら嬉しい!」
でも問題はあって、木の精霊だけあり、大木で体は大きい。
今のモフルンが狼になっているよりも大きい。
この大きさで家に入るには、難しいんだな。
いっそのこと外で食べるのなら問題ないか。
「あら、フランツがそう言うなら、家に入りますよ。私は精霊族、人の姿にもなれますよ!」
えっ、なんて?
まさか人族の姿に?
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