『錬金079話 精霊ドリアードを助ける』
落とし穴からは絶対にでれないとわかった精霊のリアは、助けてくれと言った。
「わかった、助けるよ」
「ご主人様、私が助けます。ちょっとお待ちを」
助けると言ったモフルンは獣の姿になった。
精霊リアを引っ張るのだろうから、獣の方が便利だな。
「うわああああああ、フェンリル族だ、やっぱり近くで見ると迫力あるな!」
「私はフェンリル族だからね、口で引っ張てやるからな。おとなしくしてなさい」
「はい」
モフルンが大木の枝に噛み付いて、精霊リアを穴から引っ張る。
スポッと穴から抜け出た精霊。
枝は土が被さっていた。
さすがの木の精霊でも、俺の農地の落とし穴は、苦手だったらしい。
「モフルンと言ったな、ありがとう助けてくれて。それにフランツの強さは驚いた。精霊であり、魔族ですら私に恐れる存在なのに、まさか農具で戦い負けた。私の完敗です。フェンリル族も負けたのでしたね」
「そうよ、私も農地に来て、ご主人様と戦い負けたの。それからは、ご主人様と呼ばせてもらい、この領地にいる。ご主人様は強いのです」
「あら、モフルンだけではなくてよ。私もお忘れなくね」
スイが忘れないでとばかりに言った。
まだ精霊はスイを知らないのだから、知ったらどうなるかな。
予想すると信じない可能性もあるな。
「あなたも、フランツの仲間ですよね。誰かしら……ただ最初に会った時に妙な魔力を感じました。感じたことない、強大な魔力。底しれぬ異様な魔力。きっとフェンリル族の魔力だろうと思った。でも冷静に感じ取ると、フェンリル族の魔力とは違うのです。スイ……あなたは何者です?」
「まだわからぬか、精霊ドリアードと言えば、知らぬ者はいない神に近い存在と言われるのにだ。仕方ない、教えよう、魔竜でありアイスドラゴンのスイだ。よろしくね」
魔竜であるのを教える。
ちょっとポカンとしてますね、精霊ドリアードは。
そりゃそうだよな、魔竜て言われても、実感わかないよね、美少女のスイは。
「変な冗談はよして。いくら私でも魔竜が世界最悪な種族であり、魔族、人族、精霊族すら超える、伝説の種族だと知ってます。こんな可愛い子が魔竜のわけないでしょう」
やはり信じないのだな。
スイからは魔竜のイメージが想像できないし、俺も最初は驚いたからな。
でも本当なんだよな、魔竜てのは。
どうしたら信じてくれるかな精霊さんは。
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