『錬金078話 精霊ドリアードと戦う』
リアが乱気流で攻勢を仕掛けてくるのを避けつつ、ミスリル農具で土を掘る。
なんて地味な作業とかリアは思っているな?
地味ではある、でもこれがミスリル農具の力なのです!
「掘っただけ? あはははは、農具で土を掘るのが、攻撃なの? 剣術が届かないから、諦めて土を掘るとは、笑っちゃう!!」
「どうかな。言ったけど俺は錬金術士だよ。錬金術士には錬金術士の戦い方もあるのですよ、精霊さん!」
「なれそれ? あれっ、土がおかしい! 何か変だわ! ああああああああああああ!」
笑えるとか言っていた時に、土が変化していく。
農地が大きな穴が作られたのだった。
ぽっかりと穴が。
その穴に精霊のリアは落っこちてしまう。
大木が埋まるほどの大きな穴。
俺は土を掘った時に、落とし穴が出来るようにしてみたのだった。
錬金したミスリル農具は普通には考えられない力を発揮する。
たった一日で種から目が出るのも、ミスリル農具の力だ。
こんな使い方もあったのだな。
「ああああああああああ、動けない、動けないよ!! 土に埋まってしまい!! なんなのその農具は、どうしてこんな穴が作れたのよ?」
土の落とし穴に落ちたリアは、説明を求める。
もう動けないみたいだから、教えてあげよう。
「錬金魔法で作ったミスリル農具は、不思議な力がある。実はこの農地は荒れ地だったのはご存知だろリアも、それをミスリル農具は一日で農地にしてしまったのだよ。通常ではあり得ない力を持っている。今も土を掘ったことで、落とし穴を作ってみた。上手くいくかどうかだったけどね。しかも普通の落とし穴と違い、入ったら絶対に出れない穴にした。どうやっても出れないよ!」
ミスリル農具でイメージ的には絶対に出れない穴をイメージして作ったのだった。
案外とイメージ通りに作れたとは思うな。
入った精霊のリアは苦しそうに、もがいているけど、出れてないしな。
「ミスリル農具? 恐ろしい錬金の農具だ。聞いたこともないぞ、こんな錬金術士は。さすがにフェンリル族の女を従えているだけはある。わかった、助けてくれ。私の負けだ。穴からは出れそうにない」
精霊リアは負けを認める。
俺の錬金術に完敗したと認めてしまった。
精霊が来たからには、苦労はしたが、なんとか錬金術で乗り切った形だ。
魔竜のスイも錬金術士で、フェンリル族のモフルンも錬金術で倒した。
精霊リアも同じく錬金術だった。
まさに錬金術士の力を発揮したわけだね!
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