『錬金767話 王都の肉屋』
『錬金767話 王都の肉屋』
「店主さん、村から持って来た牛肉があります。ちょっと味見してもらいたい。忙しいとは思いますが、、、」
「いいよ、あるのなら、味見しよう。ただ俺は厳しいぞ、そこらの牛肉では置かない。貴族が買いに来るからだ。うちは王都にある肉屋でも高級品を扱う店だ。どれどれ、、」
値段が高いなあとは思っていた。
値札を見ると、俺の感覚よりもだいぶ高いことからも嘘ではないと思う。
きっといい肉を置いている。
店主には持って来た牛肉を渡した。
果たしてどう評価されるかだ。
店主は肉を見て少し切った。
口に入れてみて、味を確かめる。
肉には精通した店主だ。
さあ、なんて言うかな。
元は魔都から連れてきた牛。
現在は、リザードマンに家畜してもらっている。
来るときにはリザードマン達に、王都に持っていく分としてもらった肉だ。
どう評価されるかは、リザードマンも気になるだろう。
良い評価だったと伝えたい。
そして王都からも噂が起きて、買いに来てくれるのを願いたい。
「貴族の肉には勝てないかな〜」
「オイラは貴族にも負けないと思うっす」
カエンは心配していたところで、店主は肉を飲み込んだ。
舌で味わった。
「に、に、に、に、に肉! 牛肉なのかこれは!」
「はい、村には牛だけの専用の牧草地がある。その牧草地で牛を放牧して家畜としてます」
凄い反応だった。
牛肉かわからない味だと言う。
「牛肉は、色々な部位がある。油が多い部位。少ない部位。赤みが多い部位。この牛肉は油がある部位だが、全然、油っぽくない! 普通は動物の油はしつこいのだが、まるでくどくない! それに肉も熟成が素晴らしい! 噛んだら口で溶けていくようだ! 牛肉でも最高級の肉。いや、それを遥かに上回る肉質!」
「やったあああああ! 牛肉は褒められた。リザードマンも嬉しいと思うわ」
「リザードマンの育てる牛は王都でも最高だった、オイラも嬉しいっす!」
「ありがとう店主さん、評価してくれて。この牛肉は差し上げますよ。どうぞ食べるなりしてください」
「ありがとう。ちょっとどこの村かな、名前を教えて欲しい」
「辺境の村です。王都からはめっちゃ遠いです」
「辺境て、、、あの辺境の領地のことかな、有名な領地があったと聞いたことあるけど」
「そうです。その辺境の領地に作った村なのです」
「ええっ、あそこは絶対に草も野菜も雑草すら育たないという、最悪の領地だろ。そこに牧草地を作ったわけか。革命だな! 誰もが挑戦したが誰も開拓できない領地だったのに。覚えておくよ。辺境の村だな」
「はい、お肉は差し上げますので」
牛肉も野菜と同様に好評だった。
俺の錬金術と力は王都のレベルを超えていたようだった。
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