『錬金068話 酢も欲しい』
山での採取に満足する。
スイも満足顔で、いつかは山に連れて行くと喜ぶだろうかな。
調味料は生活にとても大切とあらためて思った。
王都にいた時には調味料は塩が普通にあったから、塩の凄さがわかる。
コショウがあれば大丈夫だな。
ただコメがあるので、コメから酢を作るのはどうかな。
酢は王都にもあり、街でも手に入る馴染みのある物。
発酵させて作るのは知っているけど、職人的なイメージが強いかな。
酢は欲しいけどハードルが高いのが難点か。
素人が作り初めて、はい、出来ましたとなるほど甘くはないと思う。
「ご主人様、何を考えていますの。ご飯も食べたし、働くのかな」
「ちょっと考えていたことがある。酢は知っているかい?」
「酢ですか? 知りませんね。なんでしょうか、聞いたこともない言葉です」
「モフルンはこんな辺境の地に住んでいたし、人の食べ物も知らないのだな。酢はとても酸っぱい液体で、野菜にかけると合う。コメにもかけることあるし、調味料として役に立つ」
「そしたら、ご主人様が作るのを手伝います。私は食べるのが好きなのでね。ご主人様が料理に必要なら、むしろ喜んで手伝います!」
野生で人の街も知らないモフルンは酢は興味あるらしい。
俺も欲しい品ではあるが、どうしようかな。
確かコメから作るのを見たことがある。
ツボに入れて長いこと発酵させるのだよな。
将来的には酢や酒も作ってみたいかな。
現実は難しい部分もあったけど、コショウなどは売れそうな感じするな。
「モフルン、酢はまたにして、取ったコショウはいっぱいある。これを街に売りたいのだ。その手伝いをしてくれないかな?」
「街にですか。良いですよ。背中に乗ったら、一番近い街になら直ぐに行けます」
「お願いしたい」
「はい」
コショウはたくさん量があり、街に売りたいと思った。
「フランツ様、また私はお留守番ですよね。時間があったら、肉を取って来ますよ」
「助かる。そしてお留守番も頼む。直ぐに帰ってくるさ」
「はい」
スイは肉を頼んだとして、モフルンと街に行くとなった。
辺境に来てから、この土地を出ることはなかった。
かなり奥地にある土地だから、誰も知らないとは思うが、良質のコショウが取れる。
コショウは栽培が難しいから高値で取り引きされると聞いたから、みんな売ってしまおう!
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