『錬金670話 迷宮の魔界樹を若くする』
『錬金670話 迷宮の魔界樹を若くする』
迷宮の魔界樹の前にサザンと大勢のホーリーウィッチ族が集まった。
もの凄い人数だ。
50人、いやもっと多い人数が来た。
サザンはプレッシャーを感じているのかは俺には把握できない。
けどもすでに木に向かって集中している。
誰も話しかけることはしない。
集中の邪魔になる。
「ホーリーウィッチ族の皆さん、俺は木の精霊の名にかけて、迷宮の魔界樹を元の若い木にしてみます」
「良いのか、我らは、魔族だぞ。何の関係ない人族とドリアード族が力になることはないのだぞ」
「ええ、確かに精霊の俺が加護をする必要はないでしょう。地上に帰ればいいですから。このままホーリーウィッチ族を知らないと言って、地上に帰れます。でも俺は帰りたくなかった。たとえ最初は戦いになったが、あれは俺たちが無断でこの5階層に来たからだ。見知らぬ訪問者。怪しまれて当然だった。今の俺の気持ちは決まっている。ホーリーウィッチ族の為に俺の持っている加護を使う。それで後悔はない。魔族に加護をして、地上の人に文句を言われようと俺は加護をする!」
「サザン、お願いするっ!」
サザンが加護をする宣言をする。
緊迫した空気が迷宮の魔界樹の周囲に起きる。
サザンが迷宮の魔界樹に軽く触れた。
木の精霊の加護を、迷宮の魔界樹に与えるのだ。
俺も成功するのを祈る。
今日会ったばかりのホーリーウィッチ族。
それまで会ったこともないし、名前も顔を知らない魔族だ。
俺とサザンがそもそも力を貸す必要はあるかいうとないだろう。
それでもサザンは宣言した。
ホーリーウィッチ族がこのままだと絶滅危惧種になるのを聞いて、見逃すのはできなかったのだ。
サザンはずっと集中していた。
ホーリーウィッチ族の人は、胸に手を当てて祈ったり、目を閉じたりしていた。
数分だろうか、時間が経過した。
すると迷宮の魔界樹に変化が起きた。
ああ、少し変化したっぽい!
「迷宮の魔界樹の一部が変わってます!」
「サザンの手の周りの色が変わったぞ!」
「もっとだ、もっと頑張れ~~~~」
ホーリーウィッチ族の人は、変化したのを見て、いっそう声援する。
サザンも集中力を上げる。
イケる!
俺は陰ながら思った。
サザンの力なら、ホーリーウィッチ族の期待に答えられると。
そのままサザンは続けた。
だが、最初の変化はあったが、そこらは変化は見られなかったのだった。
なぜだろうか?
「ううう、俺の力だけでは足りないのかな」
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