『錬金654話 酒を売る』
『錬金654話 酒を売る』
「倉庫にある、この分は販売成立だな、それとまだ売るもので相談がある」
「ええ、他にも売り物があるなら拝見しますが」
「酒だ。最近になって村でも酒を作り始めた。以前はシャドウ街から酒は購入していた。それを作るのを開始した」
「へ~~~酒もですか。見てみたい」
商人フィデリオゴンは酒に興味を示してくれたから、酒の樽を見せる
樽は迷宮から持って来たものだ。
ビールがたっぷりと入っている。
ちょっと飲んでくれたら良さがわかると思う。
「これです、村で作った酒です」
「おおおおお、これはビールですな!! とても芳醇なビールの香りです。しかしビールを作るのは大変なはず。熟練のビールを作る製造技術者が時間をかけて作るもの。直ぐに作ってできる商品ではないですが」
さすがにフィデリオゴンは疑った。
ビールを作ったこともない村で短期間でビールを作っても疑うのは当然か。
まして商談には厳しい商人だ。
商人がいい加減な物に金を払うわけない。
絶対に損な取引はしないと思う。
「確かに、フィデリオゴンの言う通りでしょう。酒は作るのは難しいです。長年の経験もいる。失敗もある。そうやって作る」
「ええ、フランツ村長を疑うわけはないが、酒を出されても、直ぐに買いますとはいきません。残念ながら酒は本物だけを購入してます。この酒は本物だと確信したものをか買っているのです、すみません村長さん」
申し訳ない感じで謝る。
別に謝る必要はない。
これは取り引きだ。
買う買わないは自由ですし、全部を買う必要は無いのです。
でも俺はもう少しすすめる。
「いいえ、良いのです、無理はしなくて、でも一度だけビールを試してみませんか?」
「試飲するのですか、ええ、いいですよ。私は酒にはうるさいです。よほど良いものでないと購入しませんが」
「試しの飲みです、どうぞ少し、フィデリオゴンの口に合うかどうか」
フィデリオゴンは酒が好きみたいで、飲むのは断らなかったのは俺にはいいことだ。
少しでも飲んでくれたら、歴史の浅いビールでも認めてくれるチャンスはあると思う。
少しだけコップに注いだビールを渡すと、フィデリオゴンはグイっと飲んだ。
一瞬だが動きは止まる。
どうしたかな?
味見は。
フィデリオゴンはかなり酒には詳しいみたいだ。
厳しい判断がでてもおかしくはない。
たとえ厳しい意見が出ても、それは今後の酒作りに生かせばいいこと。
気にすることはないのだ。
まだ生まれたばかりの歴史もないビールなのであるから。
「こ、こ、こ、こ、これは」
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