『錬金061話 勇者グラティアス視点』
『錬金061話 勇者グラティアス視点』
俺を疑いだしたのだ。
クソっ、この忙しい時に説明するのかよ!
面倒くさいやろうだな。
「いいかいダレンムル、よく聞けよ、ベヒーモスは俺の剣術を無効にしていた。その後にキミたちが剣術をしたら切れた。大量に流血もして、ベヒーモスは後退してくれた」
「はい、そうです。俺らの剣術攻撃は見事に決まりましたよ。理由が知りたいのです。なぜなら、ケンタウロス戦の戦闘にも影響しますので」
「ベヒーモスは俺の戦いの時だけ物理攻撃無効にしたのだ。無効にしたから、俺の烈火聖剣は無効になったのだ。その後にキミたちのBランクパーティーらが参戦した。そこでいっせいに魔法攻撃もしたし、ミーシャも魔法攻撃をしただろ。ベヒーモスはたまらず物理攻撃無効を解いたのだよ。物理攻撃無効はきっと魔力を大きく消費するのだ。解除したことで、みんなからの攻撃に防御しようとしたのだ。つまりはダレンムルが一人で剣術していたら、俺と同じ結果だったわけだ。この説明でわかったかな?」
これだけ説明したら、わかるよな?
ものわかりのいい冒険者ならわかる。
「なんとなくわかりました。ベヒーモスはグラティアスの時だけ、物理攻撃無効をしていたと。前回もですよね。ずいぶんとグラティアスには厳しいですね」
「そうなる。あれは俺が勇者だと知っているのかもだ。危険だから、防御をしたのだろう。そう考えるのが自然だろ」
「はい。それではケンタウロス戦はみんなで攻撃をしましょう。そうしたら、たとえケンタウロスが何かしらの防御をしていても、グラティアスだけ無効にはならないわけですからね。その方がこちらも戦力は最強でしょうし」
「そうだね。みんなと一緒に俺も攻撃するつもりだ」
ケンタウロスには俺も一緒に剣術すると約束した。
たぶん大丈夫だろうと思って言った。
だが確信はないのだな。
ベヒーモスが物理攻撃無効があったとか、解除したとか、全部俺の推測で言っているだけ。
ケンタウロス戦で俺も一緒に戦うとして、俺の剣術が通じればいいのだ。
何も問題なかったし、説明した通りだということで、話は終わる。
ただ不安なのはミーシャが言ったのかな、フランツを追放してから、俺の不調が始まったという仮説。
まさか、あの野郎のせいではないよな。
外れスキルの錬金術士フランツの顔が浮かんだ。
あまりにも使えないので、追放した奴の顔が。
違う、違う、違う、絶対に錬金術士のバカの力じゃない!
下にある★★★★★から評価してもらえると嬉しいです(^^;




