『錬金056話 勇者グラティアス視点』
決まったな!
みんな俺を見ている。
それはベヒーモスを圧倒的に切り、俺の圧倒的な勝利を目撃したからだな。
あはははははははははは、気持ちいいな。
勇者として、Bランクから崇拝されるのは。
冒険者の頂点に立つのだああああああああああ!
「なにあれ、ベヒーモスを切ったの?」
「ええっ、あれで??」
「えっ、ベヒーモスはダメージ受けてませんよね?」
「まさか、俺の剣術が効いてない!!!」
えっ、なんだ、その声は?
俺に対して言ったのか?
切った感触はあったぞ!
あああっ、ダメだ。
切れていない!
烈火聖剣がまたも効果なしだし、何度も切ったところは血も流れていなく、傷もないぞ。
そんなバカな、やはり剣術が効かないてことか。
ベヒーモスは魔法攻撃しか通じないのがわかる。
俺が悪いのではないのだ。
「効かないの、グラティアス?」
「前回と同じだよ。剣術は効かないのだ。だから剣術しても意味ない」
俺はミーシャにも伝えたところ、ミーシャは頷いた。
まあ仕方ないって顔で。
すまないなミーシャ。
俺はケンタウロスと戦うよ。
俺に不審を感じた鬼龍の団と稲妻の団へと近づいた。
俺への不審を取り去りたいのもあるし、理由を言わないとだ。
「Bランクの冒険者に言っておく。今の俺のベヒーモスに攻撃したのは剣術だった。勇者は最強の剣術を使える。だがベヒーモスは剣術を無効にしているようだ。だから剣術が効きにくいのだ。決して俺の失敗ではない」
これだけは言っておこう。
そうしないと勇者なのに、弱いとか広まってしまうのは嫌だからな。
俺の説明を聞いた冒険者達は、
「ベヒーモスが剣術無効なのは知らなかったし、聞いたことないよな?」
「でも勇者のグラティアスが言うのだから、間違いないな。無効なら無理だな」
「ベヒーモスて恐ろしい魔物てことだな。そんなベヒーモスにかかんに剣術で挑んだグラティアスは凄えよ!」
「うん、やっぱり凄え!!」
「わかってくれたなら、それでいいさ。ベヒーモスはミーシャに任せてあるが、鬼龍の団と稲妻の団は経験になるから、ミーシャの後方から攻撃してみなさい。ただ異常な程に強い魔物だ。超危険な魔物である。十分に気をつけること!」
「はい、グラティアス。ご忠告ありがとうございます!!」
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