『錬金055話 勇者グラティアス視点』
フィーネルは俺に忠告した。
そのとおりだ。
全く剣術が通じない。
それを言えないだろう!
もし言ったら、俺はヘタレとなる。
剣術通じないから、戦いません、なんて死んでも言えるか。
「通じなかった。でもやるしかないだろ、この俺に対する期待値からよ。もうやるしかねえ。頼むからよ、フィーネルは俺をサポートしてくれ。回復魔法も頼む。ミーシャにはしなくていい。俺が最優先だぞ」
ミーシャは攻撃も通じているし、自分で何とかなる。
俺はそうはいかない。
剣術は通じないし、剣術での防御もまるでダメだった。
わかりやすく言うと、昔の俺の剣術に戻った感じだ。
冒険者になりたての頃の、剣術もまだ未熟な時。
しかし俺は成長して経験を積んで、勇者になった。
最強の剣術使いだ!
みてろ、俺が勇者の剣術てのをみせてやろう!
「最優先ね。ミーシャは無視しろていうの?」
「ミーシャは大丈夫だろ。俺だけヤバイんだ」
「わかったわ、グラティアスをサポートしますよ」
「ありがとうフィーネル」
フィーネルには、ミーシャを無視して俺をサポートしてと約束した。
むろん、ミーシャには内緒だ。
この話を知ったら怒るからな。
ベヒーモスと戦うのに、びびっていては俺らしくない。
勇者の強さを、Bランクにみせてやる。
「おおおおお、グラティアスが行くぞ!」
Bランクらからの声援。
いらねー。
ミーシャが孤軍奮闘している。
「何をもたもたしているの!! 私が一人で戦っている、早くグラティアスも参戦してよね!」
ベヒーモスと戦えるミーシャは強い。
それは俺も認める。
ただ最強は一人でいい。
俺だけが言えるのだ。
最強は俺だ!
ベヒーモスを倒せば、みんな俺を認めるよな。
「これから行く。みてろ、烈火聖剣を受けろおおおおおお!!」
俺の剣術でも最強術である。
炎が剣にまとわれるて、切られた相手は高熱で燃やされる。
ベヒーモスに走りながら烈火聖剣を、足に剣を当てる!
グサッ!
グサッ!
グサッ!
数回切りつける。
全ての魔物はこの切りつけで終わる。
ベヒーモスも終わりだ!
俺が最強なのだ!
ベヒーモスの泣き叫ぶ声が聞こえてくるのさ!
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