『錬金514話 お酒の発酵は』
『錬金514話 お酒の発酵は』
「ああああ、違うのです村長。村長が思っているのとは違います。違うのです。実はですね、昨日までは何も起きていなかったことです。毎日しっかりと酒蔵の樽の確認をします。村長のミスリル樽も確認してます。まだ作り初めて数日ですから、何も起きません。しかしです、ミスリル樽を見たらです、なんと発酵していたのです!!!」
冷静だったサティは興奮して話す。
どうしたのだ、発酵していたという。
嘘だよね。
俺の常識でもわかるくらいだ。
「発酵するわけないよ、数日では」
「精霊ですが失礼ながら、サティの見間違いでは?」
「我々が見間違いはしません。何百年とかずっと代々受け継いできた酒の作りです。絶対に見間違いではなくて発酵しているのです」
リアに言われても、揺るぐことなく言い切った。
この言い方では、自信がありそうだ。
となると、発酵が進んだとなるが。
「ちょっと待ってサティ、私にもわかるように言って。発酵が進んだとなるとしましょう。発酵が進んで問題があるのですか」
「ありますよ、カエン。大ありです」
「どんな?」
「酒が酒が完成しちゃってます~~~」
「えええええええ~~~完成!」
「酒が飲めるの~~~、何か月も時間がかかるて聞いてきたのに!」
「どうしてかな、俺にもわからない。サティ、見せてくれないか、樽を」
説明ではわからない部分もあるので見たくなってお願いする。
サティは直ぐに俺たちを酒蔵に案内してくれた。
広い酒蔵には酒の匂いがプンプンしていた。
「ううう、酒の匂いがすごいですな」
「リアは苦手かい」
「いいえ、ただ強烈だなと。これがフランツのミスリル樽ですよね」
「うん」
ミスリル樽は蓋がしてあるがサティは蓋を取った。
「普通ではあり得ないことに、もう完全にビールです。我々の常識からはあり得ない現象が起きているのです。説明のしようがない現象です」
蓋を開けるとビールだった。
凄いな、ビールの匂いだ。
「飲めますなら、ちょっと飲んでみたい。あ、私はフェンリル族ですけど酒は好きですが、だから言ったわけじゃなくて、完成しているか試すだけでいってます」
「単に飲みたいのでしょ。隠してもわかります」
「モフルンは飲みたいだけです」
「なぜ、なぜ、みんな私をそんな風に見る!!」
「酒が好きだからよ」
「はい、そうです」
「まあちょうどいいです、モフルン、どうぞビールを飲んでみてください。私が酒になっていると言うのはわかってもらえますから、はい、どうぞ、、、」
サティは樽からビールを一杯。
モフルンに渡した。
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