『錬金045話 フェンリル族』
フェンリル族?
犬形の魔物はフェンリル族らしい。
俺も詳しくはないが、勇者パーティーにいた時に、少しだけ名前は聞いたかな。
グラティアスが伝説の魔物で、フェンリル族がどこかにいると話していたかな。
「私のことをフェンリル族と知っているとはな。どうしてわかったか不思議だな」
「やはりおまえはフェンリル族なのだな」
「フェンリル族ですよ」
あっけなくフェンリル族と認める。
これがフェンリル族なのか。
確かに圧倒的な存在感がある。
体も大きい。
「あなたは伝説のフェンリル族でしょう。普段は姿を現さないことでも有名。人族にも魔族にも。だからあまり見たことのある者はいない。しかしその強さは最強クラスとも言われる」
「そこの女の子はずいぶんと私のことに詳しいわね。それになぜか女の子からは異常なほどの魔力を感じますね。びんびんと来る魔力。久しく感じたことがない強大な魔力を。何者でしょうか?」
フェンリル族はスイを怪しんだみたいだ。
自分も凄い魔力だが、スイの魔力も感じ取ったらしい。
おいおい、なんで俺の農地に伝説の魔物が来るのだ。
止めて欲しいものだ。
「私? 私を知っているかな? 4大魔竜って言ったらどうかな、知っていたりして」
「えええええっ、4大魔竜ううううううう!!」
凄い反応です。
そりゃ知っているとかのレベルじゃないだろうな。
「あら、知ってましたか。私はアイスドラゴンのスイ。今はここにおられるフランツ様に従う者よ」
「アイスドラゴン!! まさか魔竜が人族に従うとかあり得ないだろう。ドラゴンは世界でも最も凶暴! 人族に従うなんて嘘!」
「いいえ、嘘ではないの。信じられないかもですが、フランツ様に負けたの。魔竜は伝統的に負けたら、その人に従う習性がある」
フェンリル族はスイが魔竜だと知り、かなり驚いていた。
そりゃそうだろうな、この世界で魔竜は一番に有名だしな。
しかも俺に従うというと余計に信じられないと顔を作った。
「それでは、そこの人族のフランツが魔竜よりも強いというの。とてもそうは思えないけど」
俺とアイスドラゴンを競べたら、誰でも俺が勝ったとは思わないよな。
「実は俺が勝ったんだ。それでスイは、アイスドラゴンから人の姿になった」
「本当にアイスドラゴンに勝ったのはわかりました。しかしわからないのは、魔竜よりも強いのに、まるで強さを感じませんよ」
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