『錬金412話 勇者の命令を聞く』
『錬金412話 勇者の命令を聞く』
「よく来た。俺に対して今までの苦痛、屈辱、ムカついてヘドが出そうだ。そこで俺様に土下座して謝罪しな!」
「土下座とは?」
「土下座をスイは知らないの」
「知らないな」
「私も知らない、人族の風習だと弱いので」
「魔竜とフェンリル族は、人と接しない生活してたからだろう」
スイ、モフルンは知らないようだった。
土下座はどちらかと言うと人族の風習だから、見る機会もなかったのだろうが、俺もしたことはないし、見たこともなかった。
「さあ、やれよ、出来るだろ、自分で命令に従うて言ったのだ」
「やるよ」
本当に性格悪いな。
こんなことなら、グラティアスの勇者パーティーに入らなければよかったと思う。
入らなければ、会うこともなかったし、俺も自由だったろうが、今さら言っても過去は変えられないし、今は土下座をするしかない。
グラティアスの前に行き俺は土下座をした。
最低の気分だ。
グラティアスだけに余計に最低です。
ミーシャとフィーネルも俺を見下ろしているのが、視界に入った。
うすく笑っている。
そしてグラティアスは、
「あはははは、遂に土下座をしたか。俺に謝罪しろ、勇者様ご迷惑をおかけしましたとな~~~」
「するよ」
「やめて~」
「モフルン」
土下座をした。
その上、謝罪まで求めてくるあたりは、よほど俺に恨みがあったのと感じる。
悪意ていうか、心底恨まないと命令できないとは思う。
それでかモフルンは心配そうにしている。
「心配ない、俺なら大丈夫だよ」
「でも、勇者なんかに言うのは見てられません」
「スイもです。とても耐えられるわけないです」
スイはモフルン以上に不安そうにするので、
「動いてはだめだ。決して動いてはいけない」
「さああ、言えよ」
「勇者グラティアス様、俺は大変にご迷惑をおかけしました。お許しください」
頭を荒れ地に付けて土下座しつつ、グラティアスに聞こえる声で謝罪した。
まさか俺が人生でこんな土下座しながら謝罪する場面がくるとは思いもしなかった。
「くくく、あはははは、最高、自分の村を作ってそこで土下座するなんてよ。俺の勇者パーティーを追放されて、村を作ってよ、俺に呪いをかけて迷惑をかけてよ、お前の人生はクソだな。最低の人生だな。もっと頭をつけよな~~~~~~~」
ううううううう。
グラティアスは俺の頭を足で踏んできた。
ぐりぐりと頭を踏み、荒れ地に頭が食い込む感じだ。
痛いですが、耐えるしかない。
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