『錬金368話 蜘蛛の糸を集める』
『錬金368話 蜘蛛の糸を集める』
何回か実験を繰り返した結果は同じで、糸と糸がネバネバで付いてしまい、もう使えないとなる。
俺は糸を見ながら考えているとスパルネが、
「糸を利用するのは難しいです。最初から無理だったのかもです」
半分諦めている感じで、責任まで感じているよう。
いや、まだ諦めるには早いと思うし、蜘蛛族をがっかりさせたくないのであった。
「いいや、まだ無理って決まったわけではないよ。糸がネバネバしなければいいのだがな。そこさえクリアすれば利用できる」
「う〜〜〜〜ん、ネバネバしないかあ〜、私の手は糸を触ってもネバネバしませんけど、手では意味がないでしょうし」
「えっ、スパルネの手は糸が付かないの?」
スパルネから、何気なく聞いた話ではあったが、とても重要で解決のヒントにもなり得る話だった。
確かに自分の糸に自分もネバネバしたら問題だろう。
「はい、付きません。蜘蛛族の手には特殊な油があるの。その油のおかげで自分のお尻から出る糸にも触れる。触れないと大変だし、不便だもん」
「なるほどね、手の油か。ちょっと見せてくれるかな」
「はい、どうぞ」
「油っぽい」
「油を使えればいいのにな」
スパルネの手を見ると、人の手よりもテカテカしていて、油が付いていたのは本当だった。
この油を使えば上手くいくかもだ。
そこで考えたのは糸に油を触れたらいいわけで、棒に油を塗り、糸を巻き付けて集めたらいいなと思う。
俺の錬金術なら可能っぽいと予想してみて、確信はないけど、作ってみたい。
「スパルネが油を使えればというのがヒントになった。錬金術で作ってみる」
「ええっ、本当?」
錬金術の基本のミスリル合金を使うとして、合金は使うとおもって2階層から採掘しておいた。
迷宮には超レアなミスリルの素材が取れる利点がある。
ミスリルを錬金術で加工し、棒状の形にしてみた。
棒ならば糸を巻き付けるには、ちょうどいいだろうと思ったからだ。
そしてミスリルの棒にスパルネの手の油を塗ってもらえば、油の効果で糸は付かないと考えた。
「棒?」
「棒にスパルネの手の油を付着させて欲しいので、触ってくれるかな」
「触ればいいのですね。こうかな〜」
スパルネに棒に触れてもらうと棒はみるみると油で全体が光った。
油が付着したぞ!
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