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『錬金335話 魔王視点 少女隊に農村のことを話す』

『錬金335話 魔王視点 少女隊に農村のことを話す』



「その村は村長と魔竜と精霊ドリアード族とフェンリル族が住人になっていた。さすがに俺とビビ、パヒューナ、セルラが力を合わせても勝てなかったのだ」


「ええええええええええええええ魔竜!!」


「えええええええええええええ精霊ドリアード族ですか!!!」


「ええええええええええええフェンリル族が居たのですか!」


 さっきよりも大声で叫ぶようにして驚く少女隊。

 魔王の間は叫び声が響き渡る。

 随分と長く少女隊と接してきたが、こんなに彼女らが取り乱す姿は初めてだった。


「うむ、精霊ドリアード族は以前から探していたが実は辺境の地の近くに住んでいたのだった。そこで農村に精霊ドリアード族はいたのだ」


「まさかです! そんな辺境の地の近くだったら、見つかりません。伝説級の精霊ドリアード族はひっそりと暮らしていたのですか。魔族をどれだけ捜索させて探しても発見できないわけです」


「さらに魔竜もいた。アイスドラゴンだった」


「なぜです! 伝説級の魔竜は人族と暮らすはずないです。魔竜は人には関わらないと言うのが定説です」


「定説だったが、フランツ村長と戦い負けたことで従うとなったらしい」


 さすがに魔竜というと衝撃を受けているのは当然で、魔族からしても魔竜の竜族は近寄りがたい存在だからだ。

 現に人族とは激しい戦闘は繰り返しても、魔竜とは戦わずにいた。


「げええええっじゃあフランツと言う人族は魔竜を倒したと?」


「倒したのだ、異常なほどに強い。錬金術士である。俺よりも強いだろう」


「まさか!!!」


「そんな錬金術士が、西の大陸に居るという報告はありませんでしたよ」


「俺も聞いてない、だが存在している」


「恐ろしい錬金術士です。そんな錬金術士がいて魔竜のアイスドラゴンを従わせてあり、精霊ドリアード族も住人させておき、さらにフェンリル族までも手なずけるとは。人族の域を超えた存在。我ら魔族にとっては驚異の人族。絶対に生かしておいてはならないです。直ぐに魔王軍全軍を呼びますので、その辺境の地に送りましょう!!」


 おいおいクルセーラよ、全軍送る必要はないのだが、クルセーラは興奮していて、自分でも何を言ってるかわかってない様子。


「落ち着きなさいクルセーラ。ストラマーベル様が言ってることを、信じなさい」


「信じてる! でもでもストラマーベル様を倒すて強敵すぎます。今にも魔王城にも押し寄せてきます、直ぐに魔族に伝令します!」


「なんてことでしょう、ストラマーベル様が敗北するとは」


「帰りが遅いから心配はしてましたの。まさか辺境の地でそんな事態になっていたとは。少女隊として失格です。死んでストラマーベル様にお詫びします」


 いや、俺は死なれても困るのだが。

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